ピーター・ヴィッドマーは、オリンピックの男性体操競技でいまだに世界記録得点を保持するアメリカ人で、今までに二度殿堂入りした3人のアメリカ人オリンピック選手のうちの一人です。アメリカの男性体操競技チームのキャプテンとして、ヴィッドマーは1984年にチーム初めての金メダルを獲得しました。同年、彼は鞍馬競技で10点満点を獲得して金メダルを、全男性競技で銀メダルを獲得し、そのカテゴリーでの初アメリカ人メダリストとなりました。

 

勝つこと、負けること、そして愛すること

間違いなく、ヴィッドマーは勝利について何かを知っていたのでしょう。しかし彼は同時に信仰、敗北、奮闘、そして家族についてもよく知っていました。

ヴィッドマーがオリンピック開催中に信仰するものについて公にする機会はありませんでしたが、彼は何度も伝道の機会を得ていました。「アメリカチームの一員として競技のために世界を旅する中で、たくさんの素晴らしい人、素晴らしい体操選手と同室になる機会がありました。そして、普段の会話は信仰に関するディスカッションになり、それらが聖典や、そういったことについてのディスカッションになっていきました。」とヴィッドマーはいいます。

モルモン教の体操オリンピック選手ヴィッドマー

しかしヴィッドマーの一番重要な会話は彼のオリンピック選手としてのキャリアが始まる前でした。カリフォルニア州ロサンゼルスの大学に通う中で、ヴィッドマーはダナ・ハリスという若い綺麗な体操選手に出会いました。「彼女はモルモン教の会員ではありませんでした。」と彼は振り返ります。「彼女はカリフォルニアロサンゼルス大学の体操チームに所属していました。それで、わたしは彼女の改宗に携わる機会があったのです。」

ヴィッドマーとハリスの関係が深くなるにつれ、ふたりは信仰や希望についてより話をするようになりました。そしてハリスはモルモン教に興味を持ち始め、最終的にヴィッドマーにバプテスマを施してくれるよう頼んだのです。

「わたしは彼女にバプテスマを施し、その一年後にわたしたちは神殿で結婚しました。」とヴィッドマーは話します。「わたしにとって、体操選手になったことのすべてはそこで報われました。それを通して永遠の伴侶に会うことができたのですから。」

彼が経験したすべてのものの中で、ヴィッドマーは「人生とは挑戦であり、わたしたちは時に勝ち、時には負けます。わたしは、勝った競技数よりも負けのほうが多くありました。」と認めています。しかしその栄光に関わらず、または勝ち負けに関わらず、ヴィッドマーはデゼレトニュースにこう語りました。「わたしの人生最高の喜びは、子どもたちが喜びを見つけることで感じられます。」

2015年後半、ピーター・ヴィッドマーは2008年から勤め続けたアメリカ体操協会の議長の職の退き、そしてオーストラリア・メルボルン伝道部の伝道部会長として伝道するために準備を進めています。
この記事はダニエル・B・ワグナーによって書かれ、ldsliving.comに掲載されたものです。