あなたの愛する人がうつや躁うつ障害、統合失調症、依存症など心の病に苦しんでいたら…生きることは彼らにとってとても大変なことでしょう。しかし同時に、それらの病はその人を愛するあなたや、その他の人にとって大変つらいことで、看病疲れをしてしまうこともあります。

家族の一人が心の病を抱えていると、心の均衡を保つのがとても難しくなるため、家族の全員が心の病を患っているかのようになってしまうと何かで読んだことがあります。これを知った上で、同時に同じ状況はふたつとないということを覚えておくのはとても大切なことです。例えば、あるケースでは心の病を抱える本人が状況をしっかりと把握することができていたりします。それはとても助けになることですが、他のケースでは、心の病を抱えながらその存在自体に気がついていなかったり、ほとんど知識がなかったりする人もいます。

どのようなケースであろうと、あなたの愛する人が心の病に苦しんでいたら、自分自身の健康をおろそかにしてしまうこともよくあることです。しかしそうしてしまうと、既に困難な状況をさらに悪化させてしまいます。もしあなたの愛する人が苦しんでいたら、あなたは自分自身(それから愛する人)をいたわってあげましょう。そうして自分をねぎらうことが人生のストレスを少し減らすことにつながり、彼らの必要を満たしてあげるのに必要な労力をつくりだすことにつながります。

以下はそれを始めるにあたっての12個の提案です。

祈りの力を利用する

天父との深く確固としたつながり以上に孤独感を和らげてくれるものは多くありません。個人の祈りの優先順位を高めてください。毎朝起きたらまずひざまずき、なにがあってもそこにいてくださる天のお父様とのつながりを求めてください。心を注いで心配や恐れ、愛する人を支えることに関しての不安を吐き出しましょう。信じられないほどの霊的な力と慰めが、心からの祈りによって一日を照らしてくれます。必要なときに立ち止まって祈ることで、その力をさらに増すことができます。

霊的な養いを求める

心の病に苦しむ誰かを愛し支えることはとても消耗することです。だからこそ、霊的に自分自身を養うと決意してください。あなた自身だけでなく、周りのひと、とくに愛する人達がその決意から益を得るでしょう。

総大会のお話や聖典を集中して勉強することは、特にあなたの状況での助けとなります。ジェフリー・R・ホランド長老は2013年10月の総大会で「破れた器のように」という素晴らしいお話をされました。そこからはじめてみるのもいいでしょう。

知識を得る

あなたの愛するひとが抱える問題について出来る限り勉強してください。本を読んだり、講義を聞いたり、医療関係者に話を聞いたり、国立健康機関などといった信用できるオンラインリソースを使ったりしてください。愛する人に対してどう話しかけたら良いのか学んでください。必要なときには境界線を設ける方法や、彼らに医療の助けを受けるよう説得する方法も学んでください。あなたが愛する人の抱える病について知り、理解するほど、あなたは彼らにとってより力強い助けになれます。そしてそれはお互いのためにとても良いことです。

話しやすい場所を見つける

あなたの愛する人が苦しんでいるとき、あなたがそのことについて話せる相手が一人いることは助けになります。信頼できる人、あなたとあなたの愛する人に対して深い興味を示してくれる相手を選んでください。それは友人でもビショップでも、家族の一員でも構いません。または、聞く耳とともに助けとなるアドバイスもくれるセラピストでもいいでしょう。あなたのエリアで、似たような試練を経験している人たちのサポートグループがあれば、それを探すのもいいかもしれません。心の内をあかせる安全な場所として、日記を選ぶのもいいでしょう。

前向きなつながりと思い出をつくる

暖炉と家族の並んだ足

写真提供はLDSLivingより

特に状況が厳しいと感じるとき、あなたとあなたの愛する人との関係における良い部分はかんたんに忘れられ、無視されがちです。できるときには可能な限り、そういったつながりを小さなことから、前向きにつくるようにしましょう。シンプルな愛の行いは彼らとあなた自身にとても良いものです。そういった行いは人間関係に必要な正常性をもたらしてくれるからです。試練がいつくるかいつもわかっているわけではないかもしれませんが、陽の光を感じる小さな瞬間をひとつひとつ分かち合うことは、良いときも悪いときも、お互いの支えとなります。

看病疲れをしないよう必要な休養をとる

物事がうまくいかないとき、臨戦態勢に入ってしまい、自分自身が溺れないようにしながら愛する人を助けるためにできることをすべてしようとしてしまうのはよくあることです。燃え尽きてしまうのを避けたければ、またはそれから回復したければ、自分自身に回復のために必要な休養を与えてください。それらの休養は、良い本を読んだり、映画を観に行ったり、ともだちとランチにいったりするなどの簡単なことでいいのです。もしあなたの愛する人が特につらい時期を過ごしているなら、彼らの必要なときに誰かが助けを与えられるようにしておき、心配しすぎたり罪の意識を感じることなく休養をとれるようにしましょう。自分自身にそのような時間をとることを許すのは簡単なことではないかもしれませんが、ぜひ時間をとってください。それも、可能であれば定期的にそうするようにしてください。そうすることでリフレッシュして、愛する人を支えるのにより備えられた状態でいることができるからです。

感謝を選ぶ

状況が困難で未来が見えないときは、勇気を失い落胆しがちです。それは自然なことですが、絶望にとらわれていはいけません。人生のなかでの祝福をよく思い起こすことで光を招き入れてください。上手く行っていることに関して、急がずに感謝をするために数分長めに祈りの時間をとったり、日記に感謝していることを書いたり「ありがとう」のメモを書いたりすることで簡単にそうすることができます。

心の均衡のため食生活を改善する

カロリーばかりの重たい食事は人を感情のジェットコースターに導きます。それはあなたには絶対に必要のないものです。食生活を見なおすことは、感情的な展望を改善することにつながります。食生活を一度に徹底的に改善するよりは、一週間にひとつずつ変えてみましょう。すぐに、食生活を劇的に改善することができていることに気がつくはずです。

ストレス減少のため運動する

科学研究により、散歩にいったりジョギングをしたりするとストレスレベルが劇的に下がることが証明されています。そのようなことをする時間がなくても、たったの10分でもプラスの影響をもたらすことができます。運動は、人間のストレスホルモンの分泌量を下げ、リラックスした気持ちや楽観的な気持ちを生み出すエンドルフィンというホルモンの生成をうながします。看病疲れやストレスを感じやすい状況にいればなおさら、エンドルフィンの助けを借りられると思いませんか?

もし定期的に運動していないなら、一日の日程で運動を組み込める時間を探してみましょう。クリエイティブになってみるといいでしょう。たとえば、エネルギッシュな音楽をかけて家族で踊ってみるのもいいかもしれません。活力的な楽しみのあとでは家族全員がより元気になれるでしょう。

他人の判断は気にしない

心の病に苦しんだことのない人や、愛するひとがそのような状況になったことのない人は、ときに思いやりに欠け、なんの気なしに傷つくことを言ったりしてしまいます。あるワードで、ある姉妹の娘が苦しんでいました。ワード内の数人の女性が集まったとき、彼女たちはその姉妹と娘のことについて噂話を始め、その姉妹は彼女たちの判断をとても個人的に捉えました。しかし少しして、彼女はその姉妹たちが彼女や彼女の娘について、そして自分たちが経験していることについて何も知らないのだということに気が付きました。しかし神は知っています。そして神が見たのは、大きな苦しみを負う子供をできることすべてをかけて愛し、養う母親の姿でした。

一分たりとも、他の人の判断によってあなたやあなたの愛する人達の本質を決めつけてはいけません。神はあなたの本質を知っています。そして彼はあなたの愛する人の本質も知っています。彼の愛、導き、そして慰めを信頼し、最善を尽くし続けてください。

心の病は恥ずかしいことではないと教える

不運なことに、心の病は恥ずかしいものだという感覚がはびこっています。ユタ州ソルトレークシティゴールド法律学校の教授であるエリン・サックスは、30年以上も統合失調症に苦しんでいます。彼女はこのように言っています。「人々は、心の病は考え方や意思の強さでどうにかなるものではないと知らずに、その人を責めるでしょう。」

可能な限りいつでも、心の病に苦しむ人のために立ち上がり、そういった病に関する正しい知識を広めましょう。心の病を理解する人が増えれば増えるほど、思いやりを示してくれるひとが増えます。

福音ツールキットを作って使う

祈るの手

写真提供はlds.orgより

祈りや聖典勉強は、つらい時期を乗り越えるときには必要不可欠ですが、そこで終わらせてはいけません。あなたが自分の置かれた状況の中で使える福音の道具をリストアップして、頻繁に使ってください。

過ちを犯したとしても自分自身と自分の愛する人を許すことをその道具のなかに含むのを忘れないでください。断食も足しましょう。断食は啓示や新しい見方を与えてくれることがあります。

毎週、よく考え集中して聖餐を取ることで、地を踏みしめることもリストに入れましょう。希望や信仰、そして愛を含めるのも忘れないでください。愛を行動の理由とするとき、間違った行いは起こしようがありません。いつでも、望んだような愛を返してもらえるとはかぎりませんが、毎日あなたが愛されているということは何らかの形で知ることができます。

 

この記事はDebra Sansing Woodsによって書かれ、ldsliving.comに”12 Ways to Care for Yourself While Caring for Someone with Mental Illness”の題名で投稿されました。

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