音のチェック、コンサート、会談。ツアー・バスの中ではなるべく睡眠をとるようにする、そしてまたそれらの繰り返し。スティーブン・シャープ・ネルソンと「ザ・ピアノ・ガイズ」の他のメンバーは、ときには最高で10日間の間に、休みなしに彼らの才能を分かち合い、音楽を通して人々に刺激を与えるために世界中のさまざまなタイム・ゾーンを旅します。
自分たちの家から遠く離れ、忙しい夜を繰り返し、レコーディング・スタジオで多くの時間を過ごし、作曲に何時間も費やすのは、名声や富のためではないとネルソンは話します。彼らがそこまでするのは、「人々が神とつながり、御霊を感じる機会を与えるためだ」と語りました。
ネルソンは、まぶしいライトがあたるステージの上からでも、ローカルの宣教師とのミーティングを調整するときでも、どのようなことについても、どのような所にいても、キリストの宣教師として奉仕するという召しに応えようと努力していると話しました。
「彼は、わたしたちのワードの宣教師ですが、彼はまた世界への宣教師でもあります」とネルソンのワードの伝道主任アシスタントのダグ・トッドは言いました。
「ザ・チェロ・ガイ」になる
「ザ・チェロ・ガイ」として知られるネルソンは、YouTubeで世間を沸かせたザ・ピアノ・ガイズの一員であり、世界的に有名なミュージシャンです。彼が子供だったときに、エンターテイナーを敬愛していたので、自分も有名になりたいと思っていました。
ネルソンは、名声の中に幸福を見つけることはできず、真の喜びは福音の中にあると話しました。世俗的な環境の中で末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン書があるので誤ってモルモン教と呼ばれる)の会員として暮らすことは、簡単なことではないとネルソンは言います。彼がしっかりと御霊とつながっていられるのは、家族と福音のおかげであると彼は認めています。
「天父が、わたしの人生のもっと早い段階でこういうことが起きないようにしてくださったことは祝福でした。もしわたしがしっかりした地盤の上に立っていなかったならば、わたしはきっと世の中に飲み込まれてしまったことでしょう」とネルソンは語りました。
ザ・ピアノ・ガイズは、小さな町セント・ジョージでビデオを通してピアノ店を売り込むという小さな試みから、YouTubeで世界中から450万人のサブスクライバーを得るまでになりました。ネルソンは、ザ・ピアノ・ガイズの結成は完全に神の御手の中にあることであり、ただ偶然の出来事ではないと話しました。
「神を信じるようになる中で素晴らしいことは、偶然を信じなくなるということです。偶然を信じることを止めるやいなや、あなたは自由になります。人生には目的があり、あなたが行うすべてに目的があると自由に信じることができるようになります」とネルソンは言いました。
世界への宣教師
ネルソンによれば、ザ・ピアノ・ガイズは、彼らの名声を好意的で確実的な方法を用いて福音を分かち合う機会に使っています。世界は伝道フィールドであり、彼らは召しを軽んじることはないと言います。ネルソンは、コンサート、レコーディング、ビデオ撮影、または作曲をする前に毎回、御霊を得られるようグループで祈ると話しました。ネルソンは、ツアーのときにほぼ毎回だれかにモルモン書をプレゼントしています。
チェリストの彼は、ファンから送られるEメールの量に圧倒されることも多いので、どのメールに返信するべきか知ることができるように祈ると話しました。彼は、去年の7月にドイツの女性、シルビア・ナサウアーに返信するよう強い印象を感じたそうです。
ネルソンは、Eメールで数回連絡を交わした後に、彼女の質問にもっとよく答えられるよう、ナサウアーさんの元に宣教師を送りました。彼女の元に送られたシニア宣教師たちは、彼女にモルモン書を贈り、それによりすべてが変わりました。ネルソンは、モルモン書の力により彼女が改宗したと説明しました。
「この話の中で心躍る部分は、わたしが彼女を改宗させたのではなく、またそれは音楽でもなく、宣教師でもなかったというところです。それは、彼女がモルモン書を読んだときでした。そしてそれは、わたしにとってその本が実に真実であるという証でもあります」とネルソンは話しました。
ナサウアーさんは、2016年2月27日にバプテスマを受けましたが、彼女はネルソンの助けも含み、全てのことを神に感謝しています。
「わたしは、遠く離れたまったくの見ず知らずの者でした。彼(ネルソン)は、自分自身にも困難な状況があり、家族に対する努めもあり忙しい人です。もし彼がいなければ、わたしは宣教師に会っていなかったでしょうし、ウィスバーデンの教会を訪れることもなければ、今ここにいることもなかったでしょう。わたしは自分のバプテスマと主イエス・キリストとともに人生を歩む準備ができています」とナサウアーさんは語りました。
ザ・ピアノ・ガイズに刺激を受けたもう一人の改宗者がいます。彼の名前は、マット・ジャノフスキーといい、ペンシルべニア出身の22歳の音大生です。ジャノフスキーの改宗は御霊を何度も感じた経験からであると説明しました。
「ザ・ガイズ」が、ジャノフスキーにユタの大学へ進学するよう説得すると、彼らはショーで演奏してみないかと誘いました。あるとき、彼はザ・ピアノ・ガイズのあるメンバーの家庭の夕べに参加しました。彼らは強い友情を育み、ジャノフスキーは質問をするようになりました。
「わたしがスティーブやアルに話すときはいつも、彼らのことをずっと知っていたような気持ちを感じます。いつでもなにか質問があると、わたしは彼らに電話し、彼らは助けてくれました」とジャノフスキーは語りました。
ネルソン、マーシャル・マクドナルド、そしてリンジー・スターリングも、去年オレム市で開かれた彼のバプテスマ会に出席して演奏しました。
ステージを降りても宣教師
伝道の業は、ネルソンが家に戻っても終わりません。彼は、去年の7月にソルトレーク・シティの地元のワードで伝道主任に召されました。
「わたしは、主から召される人は主によって適格な者とされるという言葉が大好きです。わたしは彼らに、わたしは家を空けることが多いですが、最大の努力を払いますと答えました。わたしは主が何らかの方法でそれをできるように助けてくださることを知っていました」とネルソンは話しました。
彼は、自分の家庭の中で、伝道の熱意を分かち合う努力をしていると話しました。ネルソンと彼の妻ジュリー・ネルソンには4人の子供がおり、子供たちに伝道の業を最優先に教えています。
「一番いい方法は、模範を示し、それをただ行うことです」とジュリーは言いました。
ネルソンも、周りの人々に模範を示すという彼の妻に賛同しています。
「もし人々が、わたしのモルモン書や福音の教義に対する情熱や、わたしが気にかけている隣人への伝道の業に対する情に厚い誠実さを見るならば、彼らはそれに気づくでしょう」とネルソンは語りました。
ネルソンは、またBYUの学生たちに伝道の業について具体的に助言しました。
「あなたがたの働きの多くは、モルモン書とその価値についてすでに知っている誰かを「確信」に導くことでしょう。それが何かを知らない誰かを探そうとするのではなく、その価値を理解していない人を見つけるべきです。さりげなく、あなたのモルモン書に対する証を述べてください」とネルソンは話しました。
この記事はMADISON MCBRIDEにより書かれ、The Daily Univierse に掲載されたものです。