2019年5月1日、「平成」という一つの時代が終わり、「令和」という新しい時代が始まりました。ラジオやテレビでは平成30年を振り返る番組がたくさんありました。そこで、わたしたちも末日聖徒イエス・キリスト教会の過去30年間を振り返り、日本の教会では平成の時代がどのようなものだったのかを調べてみました。
ステーク・ワード・教会員の数
末日聖徒イエス・キリスト教会の会員は、地域ごとに組織されています。ステークと地方部はいくつかのワードか支部と呼ばれるグループから成り立っています。
1988年 ステーク: 23、地方部: 17、ワード: 115、支部: 141、伝道部: 9、神殿: 1
1996年 ステーク: 25、ワード 130、支部: 166、伝道部: 8、会員数: 10万人越
1999年 ステーク: 30
2019年 ステーク: 28、ワード: 157、支部: 104、伝道部数: 7、家族歴史センター: 64、神殿: 3、会員数: 129,858人
日本における教会の伝道
1989年頃、日本では伝道費に年間約11億円が使用され、当時改宗者一人に付き40万円の伝道経費が使われたと報告されています。
1990年 沖縄の伝道部開設で伝道部が10になる
1993年 モルモン書が無料で配布されるようになる
1998年 教会奉仕宣教師プログラムが始まる(自宅で宣教師として奉仕する)
2007年 神戸伝道部奉献式
2009年 第338期生を最後に30年存続したJMTC(日本宣教師訓練センター)の閉館
2019年 仙台伝道部が6月末になくなり、青森と盛岡地方部が札幌伝道部に加わります。ですので伝道部数は7月までは、札幌、仙台、東京東、東京南、名古屋、神戸、福岡の7つですが、以降、6つになります。
伝道スタイルは時代に合わせて多くの変化を遂げてきました。宣教師が携帯電話やタブレットを使用するようになり、フェイスブックやLINEの使用が許可されてからは、求道者や教会員と連絡を取りやすくなりました。服装も時代に合わせて変化し、伝統的な衣装を着ることができたり、また暑い地域などではスーツのジャケットは着なくてもよくなりました。家族との電話も毎週できるようになりました。さらに宣教師として伝道する場所がどこなのか、今までは手紙で知らされてきましたが、Eメールつまり電子ファイルで届くようになりました。また、伝道後に宣教師をサポートするプログラムもできました。これからも伝道についての変化がいろいろありそうですね。
無料英会話
駅前などで2人組の若い宣教師が、無料の英会話のチラシを配っているのを見かけたことがありますか?教会は無料の英会話を長年続けてきましたが、その英会話のプログラムにも変化がありました。2011年にはGOEIGOというウェブサイトを設置して、オンラインで英会話教室の場所を調べたり、どんなクラス分けがされているか見たりできるようになりました。2018年には、言語学で有名なブリガム・ヤング大学が開発したEnglish Connectというプログラムが各地で始まりました。
今までも多くの人々が、無料英会話クラスの恩恵を受けてきました。これからもGOEIGO ミッションスクールは、数えきれない人々の助けとなっていくことでしょう。
日本に築かれた教会の神殿
末日聖徒イエス・キリスト教会の神殿を見かけたことがありますか?毎週日曜日に通う教会堂とは違って、神殿はとても特別で神聖な場所です。日本で最初に建設されたのは、広尾駅近くにある東京神殿でした。東京神殿(1980年)が建てられるまで、日本の教会員はハワイのオアフ島にあるライエ神殿に行っていました。しかし、旅費も高額で誰もが行けるわけではなく、日本の教会員たちは長い間日本に神殿が建つのを心待ちにしていました。その東京神殿は1994年に一度改装されましたが、2017年には大規模改修のため閉館しました。2020年に改装終了予定ですが、オリンピック開催前までの仕上りが期待されています。
また平成時代には日本での神殿の数が飛躍しました。2000年に福岡神殿、2016年には札幌神殿が完成しました。神殿はとてもきれいで、外観を見るだけでも良い気持ちを与えてくれます。また、庭園は一般の方にもオープンしているので、散歩にお勧めです!2019年4月の総大会では、沖縄県沖縄市に神殿が建つことが発表されました。日本人の教会員にとっては感極まる知らせでした!
代表的な人道支援やボランティア活動と寄贈品
国内
各地の教会員がホームレス支援をする、阪神大震災、東日本大震災、島根県大田市への人道支援、埼玉県と千葉県で竜巻被災者支援活動、大阪北部地震、広島県、愛媛県への支援物資、児童養護施設へ布団とキルトを贈る、認定NPO法人セカンドハーベストジャパン(2HJ)と提携して生活困窮者への食料支援を行う「フードパントリーピックアップ in 広尾」が開設、麻布乳児院に乳児衣類、ベビーチェアなどを贈呈
教会指導者は五輪担当大臣に、教会も2020年の東京オリンピックを助けたいと伝えた
国外
ミクロネシア人道支援、ロシア、サハリン大地震による被災者へのに支援金送付、福岡ステークがカンボジアへの奉仕を13年以上続ける、パラオ共和国に人道支援スクールキットを寄贈
教会の地域への奉仕と貢献
- LDSキャンポリーで富士山登山が行われ全国から団体が集まった
- 家族歴史祭りが各地で行われ、家族歴史活動が行われる
- 地域会長会の案で、11月第2土曜日は「家族の日」と制定し、黄色いリボンを象徴に家族の大切さを呼びかけてきた
- 全国バスケット・バレーボール選手権開催
- 2012年から東京国際ブックフェアへ出展
- 1998年からブリガム・ヤング大学主催の全国高校生英語スピーチコンテスト全国大会が行われている
- 全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)が主催した「第3 回 災害時の連携を考える全国フォーラム」に協賛団体として参加し、ヘルピング・ハンズとしてブースを出展した
- 毎年恒例の「世界奉仕の日」には全国の教会員が様々な奉仕をする
- 各地の図書館(テレビ・ラジオ局、新聞社、大学の図書館を含む)にモルモン書を寄贈
- クリスマスの時期、宣教師や会員によるキャロリングが各地で行われる
- 若い人たちをサポートするアウトリーチセンターが各地で設置された
- 東京国際ブックフェアにモルモン書を出展
- 岩手、仙台、宮城に職業センターを開設
- 日本赤十字社の協力のもと献血活動を全国的に行う
日本人の教会指導者
日本人でも教会の指導者として世界的に活躍してきた人たちがいます。
地域幹部七十人(世界中どこでも奉仕する特権がある)
青柳弘一(日本産業貿易株式会社で営業主任、日本ヤングリビング株式会社ではセールスマネージャー)、菊池良彦(レナウェア・ディストリビューターズ・カンパニーの日本地域担当マネージャー、現在神殿部の管理ディレクター補佐)、山下和彦(福岡大学の保健スポーツ科学の教授)、和田貴志(米国ユニバーサル社、ペプシコ、ピザハット社などの経営・管理に貢献。ユニバーサルスタジオジャパン(USJ)の開業の際、合弁運営会社の設立から採用、教育、運営の陣頭指揮を取る、北アメリカ西地域・北西地域,アジア北地域の教会の実務ディレクター)
地域七十人(担当地域で奉仕する特権がある)
新山靖雄(セルネート・インタラックグループ会長・CEO、全国広報ディレクター、享年73歳)、堀田徹(教会教育システムの日本名古屋地区の地区コーディネーターと日本名古屋地区のインスティチュート・ディレクターを退職),菊地敏(菊地商会株式会社代表取締役)、柏倉仁(三機工業株式会社技術部長)、潟沼誠二(北海道教育大学の名誉教授)、ゲーリー・松田(極東アメリカ海軍捜査局捜査部長)大石知香男(医療関連企業の内部統制部門のセクション・マネージャー)、中塚祐文((有)中塚カイロプラクティック研究所代表取締役社長)、楠目克美(株式会社SDLの代表取締役・空間デザイナー)、徳澤清児(ソニー生命本社のマネージャー、デロイト トーマツ コンサルティングのシニアマネージャー)、恩田豊(教会教育システムの地区コーディネーター,インスティチュート・ディレクター)、青葉太一(陶芸家)、林徹(小高研究所で勤務した後、教会教育システムで勤務 )、大田原勝幸(教会教育システムで勤務)、永友裕(ゆたか)(小学校の教諭、教頭、校長、アルゼンチンのブエノスアイレスにある日本人学校でも教えた)
指導者の活動の一部の紹介
- 「比叡山宗教サミット/世界宗教者平和の祈りの集い」に1987年から参加
- 外務大臣、法務大臣を表敬訪問
- 明治神宮表敬訪問
- 宗教の違いを越えるインター フェイス・ディナーを2014年から企画
- 世界各国の大使と政府関係者を招く「フレンドシップ・ディナー」が2012年から毎年行われる
そのほかの出来事
- 1995年、改訂新版完全口語訳『モルモン書』、『教義と聖約』と『高価な真珠』出版発行
- 「日出づる国と共に」という日本の教会歴史の本の出版
- 家族・歴史部で家族歴史サポート課がスタート
- あらゆる世代が家族歴史をともにできるように、家族歴史でショット・ボックスが使用される
- Mormon Lifeというウェブサイトを開始、会員生活やインタビュー記事を載せる
- 総大会の手話放送、その他の放送、映像の制作が公式に承認された。
- 各地のステークで奉献から40周年や伝道が始まって50周年を迎えた
- 2017年にBYUパスウェイコネクトが紹介され、大学のクラスを一年間オンラインで取れるようになり、学士を習得することが可能となった
- 2018年の夏から13歳以上の会員はオンライン献金ができるようになった
- 教会公認の商品や出版物,神殿関連の衣料などが購入できるLDSオンラインストアが開始
- ヘルピング・ハンズがJVOAD 正会員団体として理事会で承認された
活躍した教会員たちの功績
- 川島良仁が禁煙タクシーの自営業を始め注目を浴びた
- 小川隆司が不登校の生徒たちのためにトトロ学園を設立
- 浮島朗子が長年のボランティア活動のため「青い鳥賞」をもらう
- NHK手話ニュースキャスターで20年以上勤めている田中清が手話講習会を開く
- 10人家族の関谷家が「森久美子・涙の挑戦!大家族のお母さん入門」でテレビ出演
- 船島二巳男がPTA責任を通して高校新設へ向けて奉仕
- 2000年シドニーパラリンピックで宮川仁が8位入賞を果たした
- ハル・川満を迎えてのファイヤサイドが行われファッションショー、歌、ダンスなどが披露された。地元の沖縄テレビでもファイヤサイドの様子が放送された。川満の子供たちから成る歌手グループBless4も現在活躍中
- 京都学習センターパソコンクラブの活動の一環として系図作成講座を開始した
- 平野拓也は日本マイクロソフト代表取締役社長として活躍している
- FMラジオ局でボランティア活動をする武井、家族の大切さを語る
- 関西マラソン大会で大阪北ステークと神戸ステークが2012年からボランティア活動
- 名古屋ステークの旧野並支部では2014年から教会を地域社会に開放する「赤ちゃん広場」を毎週週一で開いた
ここで紹介した教会員や奉仕活動はほんの一部です。皆さんの周りにもきっと称賛にあたいすべく教会員たちはたくさんいるでしょう。教会の指導者であったヒュー・B・ブラウン副管長は、1967年にこう預言しました。「……日本人の男性が十二使徒評議会の一員になる……」と。平成の幕が閉じ、令和の時代が始まりました。これからの日本における末日聖徒イエス・キリスト教会の発展、そして教会員の活躍が楽しみですね。
皆さんが平成時代に教会を通して経験したことを、ぜひコメントしてくださいね。