テストや受験前に「神頼み」を誰もが1度はしたことがあるのではないでしょうか?今日はそんな「神頼み」をクリスチャンの観点で紹介します。そこで全米でもよく知られているクリスチャンの学校、ブリガム・ヤング大学の学生、ストラウス・ケイシさんが勉強の仕方について書いた小論文から学びます。


気づき

最近、クラス全員で気づいたことは、ブリガム・ヤング大学が多くの末日聖徒イエス・キリスト教会の会員が勉強する学校であるにも関わらず、聖霊による学びにおいてまだ足りないところがあることだった。(教会員は神様とイエス・キリストと聖霊の存在を信じている。聖霊の働きは多岐にわたるが、その1つに「すべてのことの真理」を明らかにし、お教えになるモロナイ10:5)というものがある。詳しくはこちらを参照。)自分自身も聖霊によって勉強することが大切だと知っていながらも、様々な勉強をする前に頻繁にお祈りする習慣が身についていなかった。このことに気づいたわたしたちは、一学期をかけてどのように改善できるかを議論した。具体的にどのように聖霊を招くか、または聖霊と共に学ぶための大切な要素を話し合った。そこで3つの大切なポイントが出てきた。

この3つのステップで共通して言えることは「祈り」を手段として取り入れていることである。もし「祈り」という手法になじみがないようであれば、前回の記事にあるマインドフルネスを活用して自分と向き合うことを提案する。

1. 勉強前に具体的に祈り求める

今学期に学んだことは、毎日の勉強で祈りを応用すべきであるということだ。試験の前に祈ることは悪くないが、試験の前だけだと、一般的に言ういっときだけの「神頼み」になってしまうと感じたからだ。だから普段から毎日勉強する前に、短い祈りで始めることが大切だとわかった。その祈りは長くなくても、具体的で心のこもった祈りであれば、効果があると感じる。

例)「神様、学校で勉強できる環境があることに感謝します。今日は宿題で、この本を読むので、必要な情報を読み取ることができるように助けてください。そして、得た知識で、周りの人を助けることができますように。イエス・キリストの御名により、アーメン。」

勉強する前に祈ることによって、いろいろなことが起こる。その一つは、勉強の目的がはっきりすることである。わたしは勉強する中で、時々自分が勉強している目的を忘れてしまうことがある。良い成績をとるため?自慢するため?それとも、ただ医学部に入るためなのだろうか?

それで、祈った時に本当の目的にたどり着いた。それは周りの人を助けることだった。わたしたちの学校、ブリガム・ヤング大学のモットーは “Enter to learn; go forth to serve”、つまり在学中は学び、その学びを奉仕につなげることだ。2018年8月、ワーゼン学長は卒業生に向けてこう言った。「わたしたちは学ぶことによって経験を積み、奉仕という義務と特権を経験するためにこの世に生まれてくる。」勉強前の祈りは、将来奉仕する目的を再び思い浮かべる機会になる。

そしてこの奉仕するという意識が、第2のポイントにつながる。


2. 学んだことを使って誰かを助けられるように考えながら祈る

学生としてすぐに実践できる奉仕は、ほかの学生に学んだことを教えることだ。人は誰かに教えることを前提としているときに、より熱心に学ぶことができる。

また、自分で勉強してわかっているつもりでも、意外と人には説明できないことが多いことに気づく。ジョン・テーラー大管長は教えることについてこう述べている。「人にとってまことの英知とは、奥義や大いなるテーマを採り上げて、子供が理解できるようにそれを展開し、単純に表現することです。」

ここでも祈りが大切になってくるのは、わたしたちの能力だけでは限界があるからだ。学んだことをすぐに教えるには、かなり高い理解力と伝える能力を要する。祈りを通して得られる聖霊の促しと助けによって、わたしたちの能力は何倍にも増し加えられ、難しいタスクも成し遂げられるのだ。

また、グループ勉強も効果的である。勉強したことを復習する機会となるし、自分で勉強していた時に気づかなかったことに気づくことが多い。何人かの学生が頑張って学ぼうとしている場には聖霊がいるに違いない。(「二人または三人がわたしの名によって集まっている所には,見よ,わたしもその中にいる……まさにそのようにわたしはあなたがたの中にいるのである。」教義と聖約6:32))このように、学生として互いに教えあうことは奉仕にもなり、聖霊による学びにもなると思う。


3. 勉強後の祈り:学んだ知識と将来との関連性を祈り求める

最後のポイントは勉強した後の祈りだ。これまで学んだことが、将来につながるように祈る。この祈りもまた、目的について振り返る機会にもなる。学んだことがどのようにほかの人のためになるか考えて祈ると、啓示を受けることができる。

以前、わたしはこれを試してみた。それはあまり興味のない統計学の勉強だった。一日中統計学を勉強して、夕方に試験を受けた時のことだった。わたしは試験の直後に、学んだことを忘れる悪い癖がある。しかし、今回は3つ目のポイントの「勉強後の祈り」が思い浮かび、試してみようと思った。すると不思議なことに、試験で出てきたトピックや問題が思い浮かび、わたしの勉強で足りないところや、もっと学ぶところが思い浮かんだ。そして、将来医学部へ行っても医者になっても、統計学を使わなければならないことを思い出した。わたしはその気持ちを忘れず、統計学の期末試験でもっと深く勉強し、将来きっと使うことをいろいろ学ぶことができた。その上、成績も上がった。このように、最後の祈りによってさらに学ぶことができる。そして、神様に勉強するために得た助けや導きに感謝を伝えることもできる。勉強後の祈りによって、ただの神頼みではなく、神様との交流、つまり聖霊との学びにつながるのだと思う。

今学期はたくさん学んだり、間違えたり、聖霊を感じたりすることができたと感じる。その中で大切だと思うことは、聖霊を意識しながら勉強することだ。わたしたちのクラスでは何回も話し合い、新しいことや新たな方法を求めたこと自体が聖霊によっての学びとなった。将来的には、3つのポイントを使い続けながら、聖霊によって学ぶ方法を常に求め続けることを心がけて勉強したい。