世界中から多くの人が集結するオリンピック。彼らはそれぞれ見た目も、育ちも、国も、言語も、また特に、信じている宗教も大きく異なっています。

いよいよ始まったオリンピックですが、会場であるリオ現地にいるオリンピック主催者たちは、どのような方法で選手たちの霊的(宗教的)な必要性を満たすのか疑問に思ったことはありませんか。

オリンピック公式ウェブサイトによると、選手村の一部には「宗教センター」と呼ばれる特別な場所がもうけられ、選手の宗教に合わせて精神的な支えを受けることができるとのことです。

 

宗教センターの内容

7月24日から9月21日までの間、この「宗教センター」では選手の信条に合わせ、あらゆるサポートを受けることができるようキリスト教、イスラム教、ユダヤ教や、ヒンドゥー教、仏教などを含め、5つのグループに分けた崇拝場所を提供します。そして、そこには各グループの信者の代表者を4人ずつ待機させ、いつでも選手の精神的なサポートを提供できるよう準備しています。例えば、キリスト教のグループでは、カトリック教の牧師やプロテスタント教の牧師 、仏教のグループには4人の僧侶が待機しています。

宗教センター代表者の一員であるカトリック教牧師リアンドロ・レニンさんはこう言いました。

「私たちは皆兄弟であり、平和の象徴です。私たちが目指すのは、一人でも多くの選手が宗教に関係なく、内なる平安と精神的な力を受けることができるようサポートしていくことです。」

レニンさんによると、このセンターでは、グループ崇拝の時間や、各自のカウンセリングのサポートも充実していて、待機している一人ひとりの代表者が、選手の必要に応じて精神的、宗教的な支えを提供できるように運営しているとのことです。また、このセンターでは、英語の他、スペイン語、ポルトガル語、サポーターによっては他の言語も利用されているので、この面でも力になるとのことです。

キリスト教の牧師であるカール・ダンマンさんは、アメリカで有名なブログ(Huffington Post)でこのように言いました。「彼ら(選手たち)は、単にスポーツ競技に参加するという理由だけで自分の信仰を停止する必要はありません。」カールさんは続けました。「宗教センターへ興味のある選手にお伝えします。ここでは、大会中でも聖書の勉強ができます。祈る時間や場所があります。また、静かに瞑想できる場所があります。」

最後に、選手が人生をかけて培ってきた競技力を発揮する最大限の機会に、彼らの信仰を、彼らの方法で実践する場所を設けることはとても大事なことです。霊的(宗教的)にも肉体的にもバランスを取ることが力になります。センター関係者のひとりであるラビ・エリア・ハーバーさんはこう言いました。「選手たちに忘れないでほしいこと、それは、肉体的と精神面の両方に力を注ぐことです。」

 

この記事はビリー・ハロウェルによって書かれ、デゼレトニュースに投稿されました。翻訳者は仲間富士香です。