モルモニズムとほかの宗派についてのこのシリーズでは,違いより共通していることに焦点を当てます。モルモン教は、神がわたしたちのすべての宗教に対して尊敬の念を持ち、彼らの良さを探し認めるよう期待されていると信じています。

モルモン教のある指導者が次のように語っています。

私はほかの宗派の信仰をあらわす働きや発言に喜びを感じます。 ニール・A・マックスウェル

「モルモン教」というのはただのニックネームです。本当の名前は「モルモン教会」ではなく、末日聖徒イエス・キリスト教会です。少し言いにくい名前ですが、それは末日聖徒にとっては大切です。なぜなら、末日聖徒が使っているモルモン書は、教会の名前が人の名前によって呼ばれていれば、それはその人の教会であるとイエス・キリストが述べていることを記しています。イエス・キリスト教会であるためには、主の名前によって呼ばれなければなりません。

モルモン教と福音派のクリスチャンは時々,対立していると言われます。確かに福音派のクリスチャンの中にもモルモン教の中にも、違いに注目する人たちもいますが、彼らの大部分は日常生活では仲良くやっています。彼らはイエス・キリストは他人を自分が扱われたいように扱うように教えられています。彼らはそれぞれの,教えを信じ実践している教会員から相手の信仰について学びます。

モルモン教も福音派の人たちも人道的支援に関心がある

長年モルモン教と福音派のクリスチャンは、よく色々なプロジェクトで協力してきました。とりわけ人道的支援の活動や道徳的な問題について一緒に働いてきました。例えば、家族や助けが必要な人々についての道徳的な問題については、両者は同じ側に立っています。

最近では,福音派とモルモン教の指導者がお互いの信仰について話し合い、それぞれの宗教を信じ実践している人たちから、互いの信条について学ぼうとしています。そのような例がテキサス州のヒューストンで催されました。大きなコミュニティーの奉仕活動の中で,ヒューストンのプレザントヒル・バプテスト教会の牧師であるハーヴィー・クレモンズ・ジュニア師が、モルモン教の十二使徒であるラッセル・M・バラード長老と会って、それぞれの宗教について語り合いました。

集会後,両者とも互いにたたえ合う発言をしています。クレモンズ師は次のように述べました。

「バラード長老と話したことで最も感激したことは、それぞれの宗教が違った教義に身を置いているにも関わらず、イエス・キリストが、わたしたちが苦しんでいる人たちの必要を満たし、家族の状態を強めようと働くようになさっていることです。わたしたちが祈ることは、この一致した努力が社会的な問題を改善するために、著しい影響となれるようにということです。わたしたちはそのような機会を待ち望んでいますし、始まっている関係を大事に思っています。わたしたちの信仰は、わたしたちの努力によって世界がより良い場所になるという確信を与えてくれます。 (ケリー・フォス,ヒューストン地域広報関係,「バラード長老とバプテスト派の牧師が異宗教間の提携について語る」,LDSニュースルーム).

モルモン教と福音派の人々:友好関係が築かれる

研究によると、モルモン教の信者を個人的に知ると、モルモンに対する意見が良くなるそうです。それは福音派のクリスチャンについても、同じことが研究によって示されるでしょう。つまり、宗教間の対談が大切です。厳密に言うと2つの宗派は違っているでしょうが、それぞれのグループが会ってみると、思っていたほど考えが違っていないことに驚くのです。違いのほとんどは専門用語の使い方であったり、信仰を表現するニュアンスの違いから生まれた誤解であったりするのです。

両者に共通しているのは、イエス・キリストが自分たちの救い主で、その贖いの犠牲がなければわたしたちは救われないという信条です。詳細においては違いがあるかもしれませんが、これが大事な教義です。この教義を基として、どちらのグループもイエスが教えてくださったような生き方をするよう努め、困っている人たちに奉仕し、クリスチャンとしての親切心を持ってほかの人に接するのです。