聖霊の働きを感じる時、心の癒しを実感することができます。では、その時わたしたちの体では何が起きているのでしょうか。ユタ大学のジェフリー・S・アンダーソン博士らの研究チームは、聖典を読むことや祈りなどの宗教的活動がどのように脳に影響を及ぼすか研究しました。


研究の内容

研究は19人の伝道を終えた元宣教師に、研究室で宗教活動を行ってもらい、その時の脳の反応を調べるというものです。そして、被験者がMRIの中で福音に関係するビデオを見て、御霊(聖霊の働き)を感じた時にボタンを押すようにしました。すると、ほとんどの人がMRIの中で御霊を感じ、涙を流す人もいたようです。

この実験の結果、御霊を感じている時の脳の反応は、心地良い刺激を感じる脳の回路で見られました。これは、薬物やギャンブルで活性化する場所と同じです。また、仕事やスポーツなどで達成感や満足を感じている時、子供が親に抱きしめてもらっている時、好きな音楽を聞く時、自然に感動するなど心の癒しを感じる時にも刺激される場所です。薬物やギャンブルなどの中毒性の高い刺激は、あなたの体も心も滅ぼします。しかし中毒性が高くない、音楽・スポーツ・自然などは、繰り返し経験して心に感じる気持ちを認識することで、健康的に幸せを感じられるのです。もちろん祈りや聖典を読むことなども、幸せを感じられる活動に含まれます。


そもそも聖霊とは?

聖霊は、神、イエス・キリストと共に構成する神会の3番目の御方です。唯一肉体は持っておられませんが、御三方は完全に一致しておられます。聖霊は、人々が正しい生活を送り、福音の祝福を得られるように助けてくださいます。神もイエス・キリストも私たちを助けてくださいますが、聖霊は、肉体があったらできないことをすることができます。それが聖霊の影響力です。

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神からの愛を伝えてくれる

新約聖書ヨハネによる福音書14章26節には「すなわち、父がわたしの名によってつかわされる聖霊は、あなたがたにすべてのことを教え、また私が話しておいたことを、ことごとく思い起こさせるであろう」とあります。神はわたしたちに何かを伝える時、聖霊を通されます。聖霊の影響を受ける時、神の大きな愛をあなたは受けているのです。思い出してみてください。心が温かくなる時、目標や課題を達成して喜びを感じる時、大切な人と一緒に過ごす時、あなたは幸せではありませんか?わたしたちの天の父である神は、わたしたち一人一人が幸せを感じられるように、聖霊を遣わしてくださるのです。


聖霊を求めて心の癒しを得る方法

聖霊の働きは自分から求めることで得られます。例えば人間関係でうまくいかない時です。相手の言葉や態度にたびたび傷つけられる、という経験はありませんか?それを相談できる人もいない。苦しくて苦しくてどうしようもない時。そんな時、自分から行動をすることで聖霊があなたの心を癒してくださいます。そのためにはステップを踏む必要があることもあります。

聖霊を求めて心の癒しを得る方法

1.聖霊を招きやすい環境を作る

聖典などで、聖霊の働きかけの影響を表す御霊を「静かな細い声」と表現されることがあります。実は、御霊は心が騒がしい時などには気付きづらいこともあります。このことを考えると、もしかしたら一人で静かに過ごせる時間や場所が必要になるかもしれません。しかし、うるさい場所では絶対聖霊を招くことができないということではありません。ポップミュージックが流れる人の多いアーケード街でも、御霊を感じることができるのです。ジョセフ・フィールディング・スミス大管長は、「聖霊によって真理はまさに体の繊維と筋にまで織り込まれ、忘れ去ることができないものとなる」とも言いました(Doctrines of Salvation,ブルース・R・マッコンキー編,全3巻〔1954-1956年〕,第1巻,48)。大切なのは、自分の意識です。あなたの意識を、聖霊の働きかけを受けることに集中してみてください。

2.聖霊を招きやすい行動をする

デビッド・A・ベドナー長老は聖霊を招く方法についてこう言いました。「聖霊を伴侶として招くには様々な方法があります。聖約を交わして守ること、個人や家族で誠心誠意祈ること、熱心に聖文を研究すること、家族や友人との適切な関係を強めること、徳高い思いや行動、言葉遣いをしようと努力すること、家庭や聖なる神殿、教会で礼拝することなどです。反対に、聖約や決意を簡単に破ること、祈りと聖文研究を怠ること、ふさわしくない思いや行動、言葉遣いは御霊を退かせたり、まったく来ないようにしたりしてしまいます

祈りや聖典を読むといった霊的な行動から普段の振る舞いまで、あなたの行動が聖霊を招くことに関係しています。

3.焦らず待つ

先ほど「心に意識を向ける」とお伝えしたように、心に集中する時間を持ちます。瞑想するのもいいでしょう。一生懸命祈ったり聖典を読んだりしても、心に意識をしても、何も感じないこともあります。そんな時は焦らず待ちましょう。またやってみよう、という気持ちから始めてもいいでしょう。今すぐ心に癒しが欲しい!!という時に初めてチャレンジするよりも、余裕がある時、少しずつ「練習」をしてみてください。心に感じるものが聖霊からの働きかけだと知る時が、あなたにも必ずやってきます。

聖霊といつも一緒にいるために 実は、神権者からバプテスマを受けてふさわしく生活するなら、いつもあの聖霊を伴侶にすることができるんです!ということは、求めたら心の癒しを受けやすくなると言えます。宗教活動と脳の関係の研究の被験者となった19人の元宣教師たちは、戒めを守ったり聖霊を招く行動を取るなら、いつも聖霊の働きかけを感じることができます。ですから、MRIという狭くてちょっと特別な空間の中であっても、聖霊を感じ、涙を流す人もいたのです。聖霊を伴侶とするために必要なものは、「聖霊の賜物」と呼ばれています。これはまるでラジオのアンテナのようなものです。このアンテナをもらうことで、自分がチャンネルを合わせる(意識を向ける)なら、聖霊の働きかけをキャッチすることができます。

聖霊を感じることとラジオの電波をキャッチすることのたとえ

聖霊の働きかけを目で見ることはなかなかできません。しかし聖霊が働く時、脳は確かに反応をしています。特別な反応ではなく、多くの人がほかのものから得る反応と似ています。幸せを感じられるように備えられたシステムかもしれません。ただ、聖霊の働きかけは本当に特別です。自分の体にあるシステムを正しく使い、ふさわしい行いをするなら、これまで以上にあなたの心が満たされ、神に近づけるでしょう。

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