貧しい人のために、寄付をしたり、意義ある方法で関わりたいと望んでいても、どの慈善団体が一番良いか、またはどこに行ったらボランティアとして奉仕の機会があるか分からない時もありますよね。貧しい人に施したいと思ったら、自分のお金がはたして必要な所に行くか確かめたいと思いませんか?世の中や人々の生活に大きな影響を与えたいと望んでいても、「どこから始めたらいいのだろう」と迷ってしまうこともあると思います。

この記事はこれらのすべての疑問に答える貧しい人を思いやるための入門書です。

3つの簡単なステップ

ステップ1. 慈愛を持つことを選ぶ

  • どんな奉仕ができるか見極める。
  • どれくらいできるか見極める。

ステップ2. 最も貢献できる場を見つける

  • 時間、才能、持っている物で工夫する。
  • 金額を決める。
  • 善意を実行に移す準備をする。

ステップ3. 自分のお金を注いだ所に心を向ける

  • 物乞いを見ると感じる罪悪感を乗り越える。
  • 与える側の無力感に打ち勝つ。

 

ステップ1:慈愛を持つことを選ぶ

クリップに付けられた5つのハートのモチーフ

どんな奉仕ができるか見極める

まず最初のステップとして、自分が持っているもので他の人に役立つものは何かを吟味することです。特別な才能や訓練を受けたことがありますか?自由にできる時間がありますか?犠牲にできるお金がありますか?

まず始めにあなたが授かっている時間、才能、手段を書き出します。

例えばあなたのリストはこのようになるかもしれません。

  • 時間:火曜日/木曜日 10~13時、土曜日(家族も一緒に)11時~14時
  • 才能:歌うこと、絵を描くこと、話に耳を傾けること、準備計画すること、子供の世話やお年寄りの相手
  • 専門的な訓練:数学の個人指導、会計、求職/面接
  • 財力:十分にあり、余分もある。月に最低5000円は奉仕に使える。
  • 分けれる所有物:靴、コート、食糧貯蔵
     

どれくらいできるか見極める

C・S・ルイスは慈善献金の適切な額についていくつかの方向を示しています。

「さて、与える場合、どれだけ与えるべきかということは、結局だれにも決められない問題だろうと思う。信頼しうる唯一の基準は、分け与えても、こちらの生活は別に不便を感じないというのでは不十分だ、と考えることではなかろうか。つまり、ぜいたく品や娯楽やその他生活を安楽にしてくれるものに対するわれわれの支出が、われわれと同収入の人たちの平均に達しているとすれば、われわれの与え方は少なすぎるのではないか、ということである。慈善をほどこしても、わが身は痛くもかゆくもないというのでは、そのほどこしはあまりにも少なすぎるとわたしは思う。慈善のための支出ゆえに、したいのだけれどもできない、というものがなければならない。」(C・S・ルイス「Ⅲクリスチャンのあり方 3 社会道徳」柳生直行訳 キリスト教の精髄. 新教出版. 2004年 p.142)

クリスチャンであるジョン・ハンツマン・シニアは月毎に特定の額を取っておくというアプローチをモデルにしています。億万長者であればそんなことをするのは容易に思えますが、彼の奉仕の精神はずっと前から始まったものでした。彼は次のように述べています。

「わたしと妻は大学出たての海軍将校として月にたったの300ドルしか稼ぐことが出来ず、負債もありました。しかしわたしたちは毎月什分の一(教会への献金)の他に50ドルを慈善のために寄付していました。わたしは常々、他の人を惜しみなく助けるならば、自分の人生も祝福されると信じる気持ちが心の中にありました。」

あなたも彼がしてきたように、与えることに固い決意を持つことができます。

 

ステップ2:最も貢献できる場を見つける

地球儀を指差す手

何をどのくらいの額を寄付するのか決めたら、あなたはどこにそれを渡したら良いかを知ることが必要です。

寄付の正しい道というのは1本ではなく、それは人それぞれ違ってきます。与えるということについての自分の哲学を用いて最適なところに与えられるようにしてください。あなたが慈善奉仕の領域に入ったなら、次のような疑問が心に浮かんでくるでしょう。

  • 食料、きれいな水、病気予防、シェルターのような物質的な助けについてわたしはどこに集中したいのだろう?
  • 生きる助けとなるために自分が取り組みたいものは、手術代、メガネ、車いすだろうか?
  • 新生児蘇生法、アクセサリー作り、農業などの技術を人に教えることをしたいのだろうか?
  • わたしは人に直接寄付をしたいのか、それとも人とともに働きたいのか?
  • 長期的な個人の自立を促すにはまず、短期的な解決が必要ではないか?

奉仕を始める前に全ての疑問への答えを得るまで待つ必要はありません。「正しい奉仕はやってみてやっと分かるのです。…与えるのは良いことです。それは確かなことです」と、キヴァモルモンというボランティア団体のジェレミー・フットは言っています。今が、奉仕の習慣を身につけるときです。だからやってみましょう。

あなたに何ができるか考え、尋ねてください。「自分の奉仕で一番助かるのは誰だろうか?」

どのように

  • 時間、才能、持っている物で工夫するのか
  • 金額を決めるのか

それから

  • 善意を実行に移す準備をします。


時間、才能、持っている物で工夫する

わたしたちのほとんどは時間と才能を提供する際、地元で機会がないかを探します。だからといって、すべての良い機会に携わろうとする必要はありません。もし、アイデアが自分に合っていなければ、ほかを探しましょう。

あなたの時間、才能、持っている物、訓練を受けたことについて目標を立てるための、5つの提案を以下にあげます。

1. 教会の組織で奉仕をする

「末日聖徒イエス・キリスト教会は奉仕を始めるのにとても良い環境です。教会では奉仕をする機会がたくさんあります…。教会の会員にとってそこはスタート地点のようなものです」と、フットは述べています。

あなたの住んでいる地域によって、自分の時間と才能を使える多くの機会があるでしょう。例えば

2. https://volunteer.yahoo.co.jpにアクセスして、住んでいる地域のボランティアの機会を見つける

3.基本的な必要を満たす団体を探す

あなたの地域でシェルター、衣類、食事といった必要に専念している団体を調べてください。これをするための最良の方法は地元で次のようなものを見つけることです。

それからボランティア活動と寄付活動に取り掛かります。

4.特に社会復帰しようとしている人たちのために、教育やライフスキルの必要について考える

世の中の不公平の多くはどれほどのお金があっても解決できませんが、他の方法で必要を満たすことができます。フットはこのように話しています。

「お金は最も明らかな不公平の根源ともいえる健康、きれいな飲料水、食事に使うことができます。しかし、お金が霊的、また精神的といった文化、それぞれの社会での常識や法律などが根付いているものにどのような変化をもたらすかを見極めるのは難しいです。さらに大きな構造的問題は、人々の態度が変わることでしか正すことができません。」

ここに Justgive.orgで提案されている人々の生活の標準をより高く引き上げる提案があります。

あなたの趣味や専門的な助けを申し出る スキルトレーニングやキャリア相談、医療、歯科およびカウンセリングの提供、法律相談を申し出る。
フォローアップ・プログラムでボランティアをする 料理、掃除、支払い、家計のバランスのような基本的なことを教える。
助けの必要な子どもを教え、助ける 大人が好意的に注意を払い、勉強を教えてください。シェルターや子供の家や学校では、よくこのような個別指導のプログラムをしていますが、なければ始めてみても良いでしょう。
ホームレスの子供を旅行に連れていく 地元シェルターで行われている水族館遠足、スポーツイベントやその他の活動に参加し、ホームレスの子供がシェルターの通りの外の世界に目を向けられるよう助けます。
シェルターにいる子供たちと遊ぶ 自分の子供を連れて行ったり、ぬり絵、おもちゃなどを持って行ってホームレスの子供たちが同じ世代の子供と触れ合うことができるよう、共に午後の時間を過ごしましょう。
雇用困難者を雇う 雇用の権限を持っている場合、雇用困難者を恒久的な仕事への移行の支援をするために職業訓練を検討する。


5.あなたの市町村でできる長い目でみた変化に焦点を当てる

予防は常に手当より効果的で、それはホームレスと貧困の問題にも当てはまります。

Givewell.orgから、より永続的な変化をするためのいくつかの素晴らしいアイデアをもらいました。多くはホームレス向けですが、これらのアイデアは貧しい人々にも応用できます。

ホームレスとシェルターについて教える あなたのボランティアの仕事について話してください。シェルターやボランティアが必要としていることについての情報を発信できるよう、新聞社に働きかけてください。
ホームレスについて子供に教える 「子供たちが、ホームレスの方を同じ人間として見ることができるように助けてください。」家族でボランティアをしてください。子供たちが寄付する衣類やおもちゃを選ぶ機会を与えてください。
地元の企業に募る 食糧や衣服を寄付する活動を組織し、地元の食料品店や洋品店で寄付用の入れ物をお店に置いてもらい、宣伝してもらうようにしてください。
企業に手紙を書く 低所得世帯向け住居の活動に携わっている企業がないか調べてみましょう。そして適応な企業に手紙を書き、参加してもらえるように招いてください。
政治家に働きかける 地元の低所得層の住宅、ホームレス予防プログラムについて調べてください。子供達への支援はしっかりしていますか?「ホームレスに対する対策」は現在の案件や審議中の法案を掲示しています。

あなたの才能や能力がどのようなものであれ、それらは他の人々の生活の中にとても必要です。


金額を決める

もし寄付できるお金があるなら、ほとんどの専門家は世界的に最も大きな影響力を持つことができる場所に寄付するよう勧めます。

その方法は3つあります。

1.末日聖徒チャリティーズに寄付をする

末日聖徒チャリティーズに寄付されたお金は、100%人道的援助基金へとまわされます。

教会の指導者であるホランド長老は次のように述べています。

「肉体的に断食の律法に従うことのできる〔全ての〕人は……状況が許す限り惜しみなく、断食献金やその他の人道、教育、伝道のための献金をささげましょう。」

教会員であるなしを問わず、物質的必要や教育を必要とする人々を助けるには以下に献金することができます。(ここからアカウントを作成すれば献金をすることができます。)

  • 断食献金
  • 人道的援助基金
  • 永代教育基金

霊的な必要に向けた寄付には以下があります。

  • 宣教師基金
  • 中央神殿参入者支援基金

2. 1円足りとも無駄にせず、最大限の効果を得る

あなたの寄付によって、人々の生活に最大限の変化をもたらすことが重要になります。このように効率性に重きをおく慈善はシンプルで、あまりお金のかからない方法で病気の予防やその他の基本的な健康の必要を満たす助けをします。

例えば、薬や医療用ネットは命を救い、強化食塩は認知機能の低下に効果があります。

このサイト(英語)では寄付金がどのように影響しているかを厳密にリサーチして公開しています。

3.特定の部門に寄付をする

特定の部門に寄付することによって、他の人の暮らしを豊かにするという祝福や興味に心を注ぐことができます。例えば、Vision Spring(ヴィジョンスプリング)はお手頃な価格の眼鏡を提供することにより、視力と働く能力という贈り物をしています。

このようなタイプのピンポイントの寄付は、世界の飢餓を解決させる方法などの具体的なアイデアに重点を置くことができます。例えば One Acre Fund(ワンエーカー基金)は農業は貧困、飢餓を終わらせる鍵であると信じ、より生産力のある農地開発に取り組んでいます。

 

善意を実行に移す準備をする

素晴らしい奉仕、ボランティアの数の多さに圧倒されているかもしれません。また言うまでもなく、あなたのスケジュールは既にいっぱいで、家計もとても厳しいと感じているでしょう。ということで、一歩下がってあなたがすでに行っている奉仕活動がどのようにあてはまるか考えてみましょう。もし外食費、娯楽費の予算があるなら、1パーセントのお金を慈善奉仕予算にまわすことを考えてもいいでしょう。

もし、何も浮かばず、何もない場合、ステップ2で作ったあなたのリストを出して、一度破いてしまいましょう。一つ一つの自分が恵まれている事柄に対して、「どのようにしたら最も恩恵を受ける人々に自分自身の生活を当てはめられるだろうか?」と自問してみてください。そして、書き出してみましょう!
 

例:

  • 時間
    • 火曜・水曜 午前10 – 午後1時 →学校、老人ホーム、シェルター
    • 土曜(家族で)→ホームレスへの炊き出し、農作業ボランティア、障害者の支援
  • 才能
    • 音楽→老人ホームで音楽の発表、孤児院で音楽のレッスン
    • 聞く→被災者の話し相手
    • 組織する→家の整理整頓を教える
    • 子育て→虐待経験のある親にアドバイス
  • 専門職
    • 数学の講師→学校で勉強についていくのが難しい子供達のチューター
    • 面接→ホームレスのシェルターで就活の備え、履歴書作りを手伝う
  • 方法
    • 毎月予算5千円を使って奉仕、または寄付
  • 与えられる所有物
    • 靴、服→障害者支援のためのセカンドハンドショップに寄付
    • 缶詰、乾燥食品→ホームレスシェルター


ステップ3:自分のお金を注いだ所に心を向ける

車椅子の男性を助ける女性

奉仕することの決断と同時に、あなたの動機をはかることができます。あなたの心がキリストの心に動かされたかどうかを確認する3つの提案がここにあります。

  1. 自分が仕える人を愛してください。その人の目を見て、その人を神の子として見てください。
  2. その人から学んでください。自分のほうが上に立った恩人ではなく、その人と同じようにもがいている人間であると考えてください。自分の人生もその人の人生と同じように不公平だということを認識してください。
  3. 真剣にその人のために祈ってください。祈りは力と行動の原動力です。神はあなたの行動を導き、神の計画を遂行する力を与えてくださいます。

あなたが愛の気持ちを持つ時、純粋な動機で奉仕できるようになります。

自分の良心を楽な状態にするためでなく、人の苦しみを和らげるために与えるのです。

しかし最も純粋な与える心もかき乱され、混乱してしまうことがあります。主な2つの失敗を考えてみましょう。

  • 物乞いをする人への罪悪感を乗り越える
  • 与える側の無力感に打ち勝つ


物乞いをする人に対する罪悪感を乗り越える

わたしたちのほとんどにとって、物乞いに遭遇することが貧しい人と関わる接点です。そのため、慈愛の義務について思い出す時に、物乞いのイメージが心に浮かんでくるのです。しかし一般的には様々な理由から混ざり合った感情が伴います。

2つの選択肢があると感じるかもしれません。物乞いにはいつも与えるか、まるで見なかったように心を閉じてしまうかです。フットが説明するように、このどちらも結果として正しくはありません。

「人々は物乞いには施すべきではないと感じるので、全く施さないのです。」

悔い改めましょう。

1.物乞いを見ると感じる罪悪感をまずなくしましょう

物乞いに施したり、助けるように強い衝動にかられる時は確かにあります。しかし彼らが最も助けを必要としている人達であるというケースは必然ではなく、多くの場合、わたしたちにとって最良の捧げる機会ではないのです。

合衆国法務省が出版した「警察官のためのガイド」には次のようにあります。

「一般的に信じられているように物乞いやホームレスの人々は必ずしも同じではありません。…ホームレスのほんの数パーセントの人は物乞いをし、物乞いをしている人のほんの数パーセントがホームレスなのです。…

「ほとんどの研究では、物乞いは合理的な経済の選択をするという結果が出ています。それは可能な限り最も効果的な方法でお金を得る方法を探すということです。一般的に彼らが物を売る時は必ずとは言えませんが、ある面では詐欺的なものもあります。多くは物乞いよりは少しは利益が得られると思われる、特に最低賃金労働の通常の雇用には興味が無いようです。

物乞いに施すのではなく、貧しい人を世話するという義務を果たすことができます。あなたは今多くの効果的に捧げる方法を知っているので、罪悪感を捨てて、ただ御霊に耳を傾けましょう

2.この罪の意識を避けるために、心を閉じるという「選択肢」に取り組みましょう

誰かの目を見て「いいえ」と言うのは大変なことですが、それは可能です。与えなくても愛することはできるのです。

子供に「だめ」と言ったり、神があなたに「いいえ」と言われるのと同様に、「いいえ」と言いながらも親切に礼儀正しく、愛を持ち、澄んだ心を持つことはできるのです。

貧しい人を世話するという戒めを守るために、どのようにしたら良いかを祈りの気持ちでよく考えて結論を出したと分かれば、罪の意識で満たされなくても心を開くことはできます。

 

与える側の無力感に打ち勝つ

引き延ばしほど望みをかすませるものはありません。ですから一度決めたら即座に慈愛の施しの体勢に入りましょう。始める前から完全な慈愛やボランティアの機会を求めて、与える側の無力感に囚われたりしないでください。何であろうと、どのような方法であろうと、捧げることを選んだら今すぐに始めましょう。

 

これはあなたの務めです

らい病人と話すイエス・キリスト

フットは次のように述べています。

自分のお金で何ができるか考えることは実際にある機会であり、キリストの弟子としてのテストです。

施しは何か偶然に起こることではありません。少しの例外を除いて、わたしたちが意図的に施しをすることを決意しない限りは、施すことはできません。自分で選択し、その選択を変えない事です。あなたがこの戒めに従うことを再び決意するならば、施しをしたいという思いはあなたの心を満たし、行いとしてあふれ出て来るでしょう。

「あなたがたによく言っておく。わたしの兄弟であるこれらの最も小さい者のひとりにしたのは、すなわち、わたしにしたのである。」

このメッセージがあなたのためであることが分かりますか?イエス・キリストは貧しい者、助けの必要な人をただまとめて救助するだけでなく、一人ひとりを助けるよう命じられました。これはあなたの務めであり、義務です。そして主なるキリストはあなたが神の子どもたちにした親切な行いに感謝し、抱きしめてくださるでしょう。

ホランド長老は「……責任を皆さん一人一人がどのように果たすべきかについて、具体的な考えがあるわけではありません。しかし、神は御存じであり、もし皆さんが、神が何度も与えてこられた戒めを守るために誠実に望み、祈り、方法を探しているならば、神は皆さんを助け、弟子としての哀れみ深い行動へと導いてくださるでしょう」と約束し宣言しました。(ジェフリー・R・ホランド「わたしたちは皆、物乞いではないだろうか」2014年10月総大会)

さあ、奉仕をしましょう。


この記事はもともとLisa Teixeiraによって書かれ、
Third Hourに投稿されました。