モルモン教の会員であるダニエル・マークハムと息子のリンカーンが、2016年夏にリオデジャネイロで開催されるオリンピックの聖火トーチをいったいなぜ、半分に切ったのでしょうか?

実はこの2人は、中身がどうなっているのかを見るために色んな物を切ってしまうことで有名になったマークハム親子なのです。

最初は息子リンカーンが理科の実験としてやり始めたものでしたが、ユーチューブに「中身はなんだろう」というチャンネルを作り、動画をアップし始めました。今では、330万もの人々が彼らのチャンネルを登録しています。

 

きっかけとなった実験

リンカーンが10歳だったころ、理科の実験で異なる種目のボールがどのような物で作られているのかを調べようとしたことが、すべての始まりでした。

父親であるダニエルはボールを切っている自分たちの動画を作り、息子を手伝うことにしました。

マークハム親子は、すぐにたくさんの人たちが観ることができるユーチューブに動画をアップしました。ありとあらゆるスポーツ器具を切ってしまってからは、2人は新しいジャンルに挑戦し始めました。消火器やラバライト(透明な容器の中に着色された水が入ったインテリア照明)、ドローンにアップル社のパソコンなど、身の回りにあるすべての物を切ってしまったのです。

そして今、マークハム親子はオリンピックの聖火トーチまで切ろうとしています。

トーチを切る動画

(00:00~)

この動画では、マークハム親子とその友人(画面右側の男性)も加わった3人でプロジェクトを勧めます。

実際に聖火リレーで使われたものを入手し、そのデザインの意味を紹介しています。

外側にある波型のような5つのデザインは海や山を表しています。ブラジルの色でもある緑や黄色が使われています。

トーチの火が灯る部分を上から押して下底部にあるつまみを回してロックすると、波型のデザインは閉じられて表面がなめらかな状態になります。再度開く時は、ロックを解除するだけです。

動画の中で3人は、内部に燃料が残っているかを心配しています。

電動のこぎりを使って切ると、火花が出て引火してしまうからです。

そこで下底部のつまみ部分を外して内部を見ると、燃料タンクは取り除かれていることが確認できました。

開けた部分から中をのぞくと、ガスを押し上げることで最上部に火が灯る仕組みが見て取れました。

いよいよ3人は恐る恐る、しかし興奮を隠し切れない様子でトーチを切り始めます。

 

(3:00~)

ダニエルは言います。「こんなに美しいトーチを切るのは気が引けるけど、、、やるしかない。」

火が灯る金属部分が、電動のこぎりで火花が出るやっかいな箇所です。

彼らはひとまず、外側の白い部分を下まで切っていくことにしました。

が、かなり固くてスムーズに切り進めることができません。

切り始めて40分ほど経った頃、このプロジェクトのために購入した電動のこぎりのエンジンが壊れてしまいます。

2台目も投入しますが、結局は大きな電動のこぎりに切り替えることに。

 

ようやく火が灯る最上部の部分が外れました。

友人は中を見て言います。

「こりゃ飛行機製造会社が作ってるんだろ。」

大きな電動のこぎりを使い始めると、電動のこぎりと手元を照らす照明の電源が落ちてしまいます。

「家の電気系統は大丈夫かな?」と、冗談を言いながらも切り進めていきます。

波型のデザイン部分が外れました。

のこぎりと照明の電源がさらに何回も落ちますが、切り進めます。

そしてやっとこの瞬間が訪れました。

ほぼ真っ二つに切られているトーチを手でこじ開けると、内蔵されていた機械部分が出てきました。

3人はもっとシンプルな作りだと思っていたようですが、ガスが入った容器、それにつながってスプリングのように上下する器具があり、最上部まで伸びる細い管も付いていて、その複雑な作りに感心します。

結局、丸1日をかけて3つの機械を駆使して、オリンピックのトーチを切ることができました。

大変なプロジェクトでしたが、彼らは「自分たちでオリンピックを作ったような気分だ。」と楽しんでいたようです。

 

マークハム親子が作った他の動画をご覧になりたい方は、こちらへどうぞ(英語のみ)。

 

 

この記事はダニエル・B・ワグナーによってLDSLivingに投稿されたものを、佐々みちるが翻訳しました。