わたしの父親ほど子供や家族の記録を熱心に書く人に会ったことはありません。

 

「天国の書記」と呼ばれた父親

ある人は父のことを「天国の書記」と言い表しました。父はモルモン教徒です。多くのモルモン教徒は個人や家族の記録を書き記しています。そして沢山のモルモン教徒が先祖を探求し家族歴史活動を行っています。

きっと父を「天国の書記」と言い表した方は、父が熱心に記録を残している様子を見て、それは神様から与えられた使命なんだろうという意味で言ったのだと思います。

 

父親がしてくれた子供の記録

父はわたしたち子供が小さい頃、学校の行事や出掛ける時は必ず8ミリ(録画)を回し、写真を撮ってくれました。子供1人に4、5冊のアルバム写真を作ってくれました。

子供たちは4人いるのですが、子供1人1人の日記を毎日つけていました。

また子供1人1人のために「覚えの書」を作り、そこに写真や手紙、賞状などの大切な記録を綴りました。

父は記録をまとめて冊子やアルバム集を作りました。その中からいくつか挙げると「家族集会」「子供の声」「子どもの写真集」「家庭の夕べ」「私の改宗」「子どもの成長記録」「子どもの覚えの書」「子どもの賞状アルバム」などがあります。

 

父親がしてくれた先祖の記録

父は家族の記録だけでなく先祖の記録も熱心につけてきました。先祖の記録を冊子にしたものは「元家(もとや)の歴史」「先祖の記録」「先祖の歴史」「前田美可の生涯」「高橋家系図」「陣中日記」などがあります。

仕事や教会の務めで忙しいときでも、沢山の記録を残してくれました。今も熱心に家族や先祖の記録をまとめています。

このような貴重な記録は、家族の思い出を蘇らせ、絆を強めてくれます。家族だけでなく親戚、そして先祖や子孫の絆までも強めてくれるものだと思います。

これは父から聞いた話ですが、今から5年程前に義父、つまりわたしから見たら母方の祖父の17回忌と義母(母方の祖母)の50回忌を行った時のことです。

父は回忌に参加した人たちに冊子「元家の歴史」を渡しました。その中には傍系の系図が載っていました。参加した方(関戸さん?)がその冊子を見て「わたしとあなたは親戚だったんだ!」と話をしていたそうです。

父は酒を飲まないため、回忌が終わってから参加者の1人の関戸さんを自宅まで車で送って行きました。自宅の前で車を止め、車から降りて別れの挨拶をする時に、関戸さんは何度も何度も「ありがとう」と言いながら両手を差し出し、父と固い握手をしてくれたそうです。

その時に父は「あぁ。これで本当の親戚になれた。」と思ったそうです。結婚してから35年、やっと本当の親戚になれたと感じたそうです。

人はいつかは死ぬもの。本当に大切なものは家族との絆だとしたら、それを形にして後世に残すことこそ尊いことはないのかも知れません。

わたしも父の背中を見て育ちました。父にはとても及ばないけれども、父のおかげで先祖を尊び家族を大切にすることを学びました。そんな父にわたしができる親孝行があるとすれば、それは大切なものに目を向けて正しい生活をすることかも知れません。

そして父は温泉が好きなので県内にある箱根の温泉にでも今度みんなで行こうかしら。

もう少しで「父の日」が来ます。世の中の父親のみなさん、これから父親になる人たち、周りの人に良い影響を与えているすべての男性へ、父の日おめでとうございます。いつもありがとうございます。みなさんの力は偉大です。これからも家族や周りの人たちを幸せにしてあげて下さいね。