アルマからキリストまで、偉大な福音の教師は物語やたとえ話で教えました。聖典は古代の聖徒らの物語で一杯です。物語は福音を学ぶときに明らかに重要な部分を担いますが、わたしたちが自分で学ぶとき、そして人に教えるとき、どのようにこの力を使ったら良いでしょうか。以下に物語を通して教えるときのヒントを挙げます。
物語を使った教え方
「…教えるための最も革新的な方法の一つはゆっくりと、物語を話すことだとわたしは思う。どの物語を話すか考え、それをどのようにつなげるかは、すべての素晴らしい教師の仕事である。生徒たちに世の中を変えて欲しいと望むならば、彼らはすでに世の中を変えた物語から霊感を受けなければならない。」（A.J.ジュリアーニ）
生徒に働きかける方法はたくさんあります。見て学ぶ生徒もいるし、聴いて学ぶ生徒もいます。ですから、あらゆる教授法がすべての生徒にあてはまるわけではありません。それはそれとして、物語というものは人間の精神に必要不可欠なので、物語を通してほとんどの生徒が学ぶだろうということはほぼ間違いありません。
ここに積極的な教師が理解を深めるために、福音を教えるときに物語を使ういくつかの方法を挙げます。
1.自分の物語を使う
あなたの生活にあって主の御手を認められるように目を開けていてください。これは偉大な物語となります。これがチャレンジではないことを願っています！あなたが御霊とともにあり、レッスンについて気にかけているなら、普段の生活から何か引き出すものが出て来るでしょう。もっと簡単に生活の中で良い経験を引き出せるでしょう。高校のクラスのことを思い出してください。何を覚えていますか？友達と話した会話ですか？学んだことですか？まあそうかもしれませんが、きっと何か物語を覚えているでしょう。
互いに話す物語はスクリーンで見たり、本で読んだりするものより雄大ではないかもしれません。あなたを形作った物語として、すぐに心に浮かばないかもしれません。しかし、わたしたちが自分について、互いについて、そして福音について学ぶのは、しばしば日々のうわさ話や試練の時、気持ちが高揚した瞬間などのちょっとしたことからなのです。
2.自分が教える物語について知る
聖典に親しむと、聖典の中の物語に親しむことができます。
聖典は物語に包まれた物語から成っています。物語をすべて把握するのは難しいことですが、聖書の中身や預言者が教えた方法の内容について基本的に理解していれば、心の中に物語をきちんとしまっておくことができます。
聖書にはたくさんの比喩やたとえ話があります。とりわけ有名なのはキリストのたとえ話です。ウィキペディアで定義されているように、たとえ話は「散文や韻文になった簡潔な教訓的な物語。一つあるいはそれ以上の教訓的なレッスンや原則を描く。たとえ話は比喩の一種である。」
四福音書には23の独特なたとえ話と、さらにたとえ話の繰り返しがあります。キリストのたとえ話には10人のおとめ、タラント、毒麦、良きサマリヤ人などがあります。
キリストはマタイ13：10－11で「それから、弟子たちがイエスに近寄ってきて言った。『なぜ、彼らに譬でお話しになるのですか。』そこでイエスは答えて言われた。『あなたがたには、天国の奥義を知ることが許されているが、彼らには許されていない。」と言っておられます。
イエスは、学ぶ者たちに福音の難しく、はかない概念を説明するために理解できる実際の例を使うように霊感されたのです。あなたも生徒たちに難しい内容を教えるときにキリストの例にならうことができます。
自分が引き出す資料を知るには、毎日聖典を読み、少なくともレッスンの一週間前にレッスン資料を見直し、ふさわしい物語を準備するための時間をとります。さらに教えるためのアイデアはここを読んでください。
3.物語はシンプルにします
使徒に倣って関連づけたり理解するのに容易な物語を話す。
現代の使徒たちは簡潔で力強い物語を語ることに優れています。福音が回復された時から、使徒たちはこれらの物語を話してわたしたちに正直、信仰、慈愛などの概念を教えてくれます。
現代の預言者モンソン大管長は説教で物語を使うことで有名です。それは特に子供時代のことやワードで人々に仕えた時のことです。
ある物語で、結婚する前に純潔の律法を守ることに苦労していた若いカップルに勧告したときのことを詳しく述べています。カップルの謙遜さとモンソン大管長の勧告を通して、カップルは純潔の律法を守り、後に神殿で結婚しました。
わたしたちは使徒の現代の物語を理解します。それはとても単純で、関連づけができるからです。彼らは甘くシンプルなメッセージに秘められた力を理解します。
物語をシンプルにするには、クラスが始まる前に自分の物語を話す練習をしましょう。伴侶、姪、息子、隣人など聞いてくれる人なら誰でも良いのです。物語を練習して時間がたつにつれ、それはさらに強力で洗練されたものとなり、レッスンに向けて完成されたものとなっていくでしょう。
4.聞き手との交流
あなたの物語に参加するように、聞いている人に質問をします。
物語は、他のいかなる言語の情報伝達よりもわたしたちの感覚に訴えます。日々起こるあらゆる雑多な出来事が道理にかなうようにするために、脳は物語という構造を使うということが研究により分かりました。この物語構造を通して、わたしたちは子供の時から統一性をもたらすために世の中で秩序を与えるようになります。特にわたしたちが若い時、この課程は学習の鍵となるのです。
興味深いことに、物語の重要性はわたしたちが年を重ねたからといって減るものではありません。実際、日々の単純な互いに語り合う物語を通してわたしたちは学び続けるのです。
話し手がスーパーの行列で詰まったときの物語を話す時、話す人と聴く人の脳は「共鳴」し、聴き手の脳は話し手の脳の電磁パルスを再現します。言い換えれば、聴き手の脳は、話し手がカートに物を入れたり、端から端まで見渡したことを話す時の脳と同じ場所が活動するのです。
話し手の経験を「体験」することにより、聴き手は物語の核心を覚えるだけでなく、話し手と一緒にそこにいたように感じます。この心の持つ技術はわたしたちにとって価値あるものです。なぜならわたしたちは人生をより快適なものにして、ストレスの少ないものにするための方法を学習しているからです。
この経験の「生きる」という脳の持つ傾向は、聞き手をレッスンに惹きつけておくために特に使うことができます。聞き手はその話がどういう結末を迎えるか聞きたいのです！物語のところどころで関連したところで立ち止まり、質問したり、話し合いの要点について話してください。そのようにすると、聞き手は話し合いに参加して、レッスンからさらに多くのものを得られるでしょう。
生徒の参加を促すには、特に意見を求めたり、話し合うために話を中断することを計画してください。話し合いの時間に生徒に聞く質問を少し準備して来てください。生徒がテーマからはずれたときにどうするか計画し、常に生徒の意見や疑問を聞くようにしてください。
5.体の感覚に訴える
複数の学習感覚を使用することを目標とすることで、強い印象を与えることができます。
人は物を見るのが好きです。視覚的な生き物として、わたしたちは世の中を歩くため、また危害から身を守るために目を使います。わたしたちは視覚に訴える物に非常に重きを置くので、話し合いに体の感覚に訴える物を持ち込むのは聞き手の話をかみ砕くにはとても助けになります。イエスのたとえ話をする時のキリストの絵であろうと、人をとる漁師について話すときのルアーであろうと、人々は物を見るのが好きです。
体の感覚に訴える物を使うには、どの物語を使うか、聞き手の役割に自らを置いてみる計画をしてください。どのような物があなたが説明する物語や概念を最もよく表すでしょうか？物語を聞くときに何が役に立つか周りの人に尋ねてみてください。
6.御霊を招く
御霊を祈り求めることは生活に御霊の影響力を招くための偉大な方法です。
御霊が常にあるということほど、すばらしい話し合いを確実にするものはありません。レッスンに合わないかもしれない個人的な話をする前には必ず御霊に相談してください。話があまりにも神聖であったり、敬虔ではないかもしれません。ですから御霊の導きを受けられるようにしていてください。
御霊を招くということは、正しい生活をすることです。聖文を読み、祈り、可能であれば神殿に参入してください。レッスンの日には、御霊がともにいるように祈ってください。
7.すばらしいストーリーテリングのテクニック
ユタ州では、ストーリーテリング（語り物専門）のお祭りがあります。ですから語り手たちはその道の達人です。彼らはこれまでの人生で、物語を集め、何度も何度も練習し、元気な聴衆に話しかけます。ここにお話をするやり方のキーポイントを提示します。
お話の最初に約束をします。たとえば「むかし、むかし」というような約束は聞き
手に冒険の物語を約束します。
聞き手を信頼する。あなたは知的な人々に話しているのです。ですから話す時にはちょっと手伝ってもらいましょう。物語を持って行きたい方向に聴衆に想定してもらったり、想像してもらえるような構成をしてください。
変化は必要です。変化はストーリーテリングでは不可欠なものです。変化がないと、活気がなく退屈なものになってしまいます。
声に変化をつける。異なる人物を演じるときは違う声で話し、大事な場所では止まって、ドラマを盛り上げるために声色を変えます。人は参加して、椅子から身を乗り出すような話が好きです。
物語から学ぶ方法
- 末日聖徒：教え合う
学習は単に教師次第というわけではありません。
「過去25年間以上、家族でストーリーテリングをすることに関してリサーチした基準によれば、親が子供に家族の話をよりたくさんすると、特に話を細かく、反応が良いように話す時、子供は色々な面で恩恵を受けます。（イレイン・リーズ）
しばしば、わたしたちは話をする教師ではなく、物語の聞き手となります。わたしたちは話に耳を傾け、それを鑑賞し、そしておそらくそこから何かを学ぶ責任があります。ここにあなたが聞くあらゆる物語からできるだけ多くのものを得るためのテクニックを載せます。
- 耳を傾けるおそらく話から学ぶ（または一般的に学習する）時に覚えておくべき最も大切なことは耳を傾けることです。教師とあなたの間の会話からできるだけ多くのものを得るために話に耳を傾け、そして後に感想を述べるのです。
- 話の個人的な本質を覚えておく特に物語が話し手の生活から出たものであれば、そしてそれが他の人の物語の受け売りであっても、話というものは本質的には個人的なものであることを忘れないでください。いつも人に話すことはできないかもしれませんが、あなたはいつも誰かの経験から何かを学ぶことができるのです。思ったよりも自分は世の中を知らなかったというような単純なことでもです。
- 言葉にとらわれないでください。これは時として実行するのは難しいことですが、物語に同意できないからといって、話し手が使う特定の言葉にとらわれないでください。その言葉の裏にその人が言わんとしていることの中身を聞くように努めてください。語義にとらわれているとたいてい無力になり、話の全体的なメッセージからそれてしまいます。
- 自分をとけこませる物語の目的は人とつながって彼らの経験から何かを学ぶことです。物語を味わい、自分をあてはめてみてください。きっとレッスン全体を（福音を中心として）さらに理解するようになり、物語を楽しむでしょう。
- 話し合いに参加する特に福音の中では、話をする人の経験を考えていると、それはあなた自身と、あなたが行った似たような経験に結びつきます。その話に感想を述べ、質問をし、話し合いを進めてください。あなたがレッスンから何かを学んだことを教師に示し、他の生徒にも同じように参加することを後押しするでしょう。偉大な教師であられたキリストは、弟子たちに物語やたとえ話を使って教えました。わたしたちもそのようにしようではありませんか？
教えるのに何か良いヒントがありますか？クラスに物語を話す確実な方法を知っていますか？以下に紹介してください。
写真提供：ＬＤＳネット
この記事はMackenzie Brownによって書かれ、lds.netに投稿されたものです。
