クリスチャンはよく「祝福」という言葉を使います。これは神様から受けるプレゼントのようなものです。
末日聖徒イエス・キリスト教会では、祝福はすでに約束されていると信じています。
そして教会員にはその約束された祝福を個人的に知るチャンスがあります。それは人生のガイドや自分が何者か分かるようになるもので、「祝福師の祝福」と言います。
今回はこの約束された祝福がどんなものか、またそこから幸せになる方法についてご紹介します。
祝福師とは
祝福師とは族長のことです。この族長についての説明は旧約聖書から引用しましょう。
初めの人として知られているアダムは、亡くなる3年前に子供や孫を集めて祝福を与えました。教義と聖約107章53-57節
アブラハムは主を信じるすべての人が祝福を受けられるように約束されました。ガラテア人への手紙3章8-9節
ヤコブには12人の息子と1人の娘がいました。そして子供達とその子孫に祝福を与えました。
「ヤコブはその子らを呼んで言った、『集まりなさい。後の日に、あなたがたの上に起こることを告げましょう。』」
創世記49章1節
血統
祝福師の祝福を受ける目的の1つが「自分の血統を知る」ということです。
バプテスマを受けて末日聖徒イエス・キリスト教会の会員になると、わたしたちはアブラハムの家族に養子縁組されることになります。
「キリストに合うバプテスマを受けたあなたがたは、皆キリストを着たのである。…もしキリストのものであるなら、あなたがたはアブラハムの子孫であり、約束による相続人なのである。」ガラテア人への手紙3章27、29節
アブラハムの子孫であるということは、アブラハムの息子であるヤコブ(のちにイスラエルと呼ばれる)の子孫でもあります。
これは生物学的に「子孫」という意味ではありません。しかし神様が約束されている祝福と使命を受け継ぐことができます。
そして、祝福師の祝福を受けることで、イスラエルの十二部族のどこに自分が属しているのかを知ることができるのです。
興味深いのが、自分がヤコブの家の一員だと知ることは、具体的に自分にはどんな使命が与えられているのか、自分は何者なのかを理解するのを助けてくれます。
例えば、教会員の多くは、エフライムの部族に属しています。この部族は人々に回復された福音を宣べ伝えるという特別な役割を持っています。エレミア書23章3節
なので教会では「福音を人々に伝える」ようなメッセージをたくさん聞くのかもしれませんね。
「祝福師の祝福を理解する」も参考にしてみてください。
誰が祝福師の祝福を授けてくれるのか
祝福師の祝福を授けてくれるのは、祝福師と呼ばれる人達です。
メルキゼデク神権を持っていて、神様から召された特別な役割があります。
教会は、ワードや支部と呼ばれるエリアと、そのエリアがいくつかまとめられたステークという単位があります。祝福師は各ステークに1人召されています。
これは祝福師の祝福を受けたいと望む教会員が、1人でも多くその祝福を受けられるようにするためです。遠い場所まで時間とお金を掛けなくても、祝福師と会うことができます。
祝福師の祝福は自分専用のガイドブック
祝福師の祝福は、まさに自分専用の人生のガイドブックといっていいでしょう。
自分が将来受けられるであろう祝福について書かれてあるので、正しい生活を送るモチベーションになります。
また、祝福が事前に分かっていると、それが成就したかどうかを気付くことができるので、自分の信仰と証が強くなります。そして、自分がどれだけ神様から愛されているかも感じることができるでしょう。
祝福師の祝福は、文書で手元に置いておくことができます。また現在はデータとしてスマホやタブレットでも読むことができます。
こうして何度も読むことができます。それは、お気に入りの本を何度も読んで元気をもらうのと似ていませんか?定期的に読むことで、気持ちを新たにできます。
自分に与えられた「わたしだけの聖典」といっても過言ではないでしょう。
祝福師の祝福を受けるための3ステップ
誰でもいつでも祝福師の祝福を受けることができるというわけではありません。必要な3ステップがあります。
もっと詳しく知りたい方は、祝福師の祝福を受けるためにをチェックしてみてください。
祝福を受けに行くときはよく祈ってください。できれば断食をして、霊的に備えます。また、祝福師がわたしたちのために霊感を受けられるように祈ることも大切です。
祝福を受けるのはこの世だけではない
祝福師の祝福に書かれてあることが、すべてこの世で成就するとは限りません。わたしたちは永遠の観点で物事を見ることを求められることがあります。
ジョン・A・ウイッツォー長老は,現世で成就しない約束もあると教えている。「与えられた約束の実現は現世だけでなく、次の世になることもあるということをいつも心に留めておかなければならない。約束された祝福が現世で実現しなかったことで、時折つまずく人がいる。このような人は,福音においては,様々の活動を伴う生活が永遠に継続し,地上での働きは天上へも継がれることを心に銘記していないのである。」(Evidences and Reconciliations, arr. G. Homer Durham, 3 vols. in 1,1960年,323)
祝福師と祝福師の祝福
19歳で受けた祝福師の祝福
わたしがこの特別な祝福を受けたのは、19歳の時でした。留学準備をしていたころです。
伝道から帰ってきたばかりの女性に、これから出会うたくさんの選択に備えて祝福師の祝福を受けることを勧められ、受けることにしました。
最初はとても緊張しました。しかし、祝福師の兄弟がとっても穏やかな方だったので、すごくリラックスできました。祝福師と会っている時間はとても特別な感じがしました。
その後、自分の祝福が文書で送られてきたので改めて読んでみました。あの時の特別な時間をまた味わえると期待していたのです。
しかし、祝福の内容がなんだか当たり前のことばかり書いてあるように感じて、がっかりしたことを覚えています。
書かれている祝福は、抽象的だったり深く考えないと分からない表現があります。
しかし、最初のころは「自分の準備不足だったのか、信仰が弱いのか」と、しばらくの間自分に自信がなくなり、不安な気持ちが残りました。
その後、事あるごとに、同じ信仰の友人や指導者からは祝福師の祝福を読み返すようにアドバイスされました。
不思議なことに年月が過ぎるあいだ何度も何度も読み返すうちに、それまで自分が経験してきたことが、まさに祝福の成就だったことに気付きました。
自分がどれだけ神様に愛されているか、神様が導いてくださっているのかがわかったのです。
もう数えきれないくらい自分の祝福文を読み返しています。大きな決断をする時は、今もそこに書かれている祝福を参考にすることがあります。
迷って不安になることもありますが、祝福文に書いてあることが、結局今のわたしの自信と粘り強さになっています。
まとめ
約束された祝福と聞くと、とってもドラマチックで確信的な何かというイメージを持つかもしれません。
神様は祝福を用意してくださっていますが、それを得るためには本人の努力や忍耐、信仰が試されます。
この特別な祝福を受けるために、わたしたちが神様との約束を守ることで、すべての人が祝福師の祝福から幸せを得ることができるのです。
こちらの動画もぜひご覧ください。