2026年5月から6月にかけて、アメリカのユタ州プロボにあるブリガム・ヤング大学(以下BYU)のダンスチーム「クーガレッツ」が日本を訪問し、公演をしました。
クーガレッツは、1946年に創設され、スポーツイベントでのパフォーマンスだけでなく、全米最高レベルの大学ダンス競技会でも長年にわたり活躍してきました。
2026年には全米大学ダンス選手権(NDA National Championship)のヒップホップ部門で優勝し、チーム通算27回目の全米制覇を達成しています。これは大学ダンス界でも屈指の実績です。
しかしクーガレッツは、ただダンス技術が高いチームではありません。BYUは全米の総合大学ランキングでトップ100にランクインする上位〜中堅上位の難関私立大学です。特にビジネス(経営学や会計学)などの分野では全米トップクラスの評価を受けています。
そんなハイレベルな大学で、成績を維持しながらダンスチームとしての結果も残しているクーガレッツのメンバーは、どんな練習をしているのでしょうか。
今回は、キャプテンのケイトさんにインタビューすることができたのでご紹介します。
―クーガレッツは、全米大学ダンス選手権で素晴らしい成功を納めました。そんな強く支え合うチーム文化を築くために、どのような価値観やチームモットーを大切にしていますか。
チーム文化は成功にとってとても重要です。わたしたちはチームの団結と、価値観を完全に一致させることにとても力を入れています。毎年テーマを決めるんです。
今年はキャプテンとしてわたしがテーマを選びました。それは、「キリストの光」と、「神様がわたしたちに与えてくださる光」です。それに合わせて、一つの聖句も選びました。
「神から出ているものは光である。光を受け、神のうちにいつもいる者は、さらに光を受ける。」教義と聖約 第50章24節
練習の前に、毎回チームでこの聖句を暗唱しています。
この聖句から、「神から出るものは光である」ことを学びます。そして、その光を受け入れ、ダンスを「光という賜物」として認識し、その光を広め続けるために使っています。
ダンスは単なる趣味だけではなく、それ以上のものになります。わたしたちは1人の女性として、この賜物とダンスを通して、人々にキリストの光を分かち合う能力を、神様から祝福として与えられたと考えています。
ですから、チームとして集まり、キリストの光を分かち合うという目的で1つになると、それはただ同じチームに所属している優れたダンサーの集まりではなくなります。むしろ、福音を広め、キリストの光を分かち合う力と影響力を持つ存在になるのです。
ただ上手に踊るダンサーの集団と、1つの動機のもとで団結しているダンサーの集団との違いを感じています。わたしたちの動機とは、自分たちが与えられた光を使って、神様が広めるよう望んでおられる光を広めることです。
―YouTubeの皆さんのダンスには一体感を感じました。
そう感じていただけてうれしいです。わたしたち自身もそう感じています。ステージに立つと、まるでエネルギーや力が、ステージ全体から放たれているような感覚があります。
これは神様を中心とした一致、そしてキリストの光による一致がそうさせているのだと思います。
本当に特別なものです。そういうものは練習だけで作り出せるものではありませんし、ほかの何かに置き換えることもできません。だからこそ、チームとしての絆がより強くなりますし、チームがまるで1つの力のようになるのだと思います。
―学生アスリートとして、学業と厳しいダンス練習の両方をこなさなければなりません。どのように両立し、成功しているのですか。
はい、これは簡単ではありません。特にプロボにあるBYUでは学業の基準がとても高いです。
わたしはビジネススクールでファイナンスを専攻していますが、とてもハードです。
ある日は朝8時から12時までダンスをし、その後12時から午後6時までファイナンスのチームプロジェクトに取り組み、そしてメイクをして試合用の衣装に着替え、午後6時から11時まで大学スポーツの試合の応援に行く、という日もありました。
1日の時間を効率的かつ綿密に計画しなければなりません。そしてクーガレッツのメンバーの多くが、これまでの人生でもダンスと学業を両立してきたと思います。まずBYUに入学できるだけの学力が必要で、その後にクーガレッツに加入するからです。
ですから、わたしたちは学業と真剣に向き合う力を養い、同時にクーガレッツに入るために高度なトレーニングもします。このような能力は、それぞれがBYUに入るまでに身につけるものだと思います。
だからクーガレッツに入って、いきなりハードな生活が始まったわけではありません。
そして大切にしていることは、生活の中に神様を招き入れることです。これは大きな違いを生みます。
多くの人は、世俗的な生活への取り組みと霊的な生活への取り組みを別々のものだと誤解していると思います。でもその二つは分ける必要はありません。完全に結び付けることができます。
わたし自身、神様のために時間を使い、自分の時間を犠牲にする努力をすることで、神様はあらゆる面で助けてくれると知っています。
神様はわたしが大切にしていることを大切にしてくれます。霊的な祝福を受けますし、勉強したことを思い出せるよう助けてくれると信じています。
また、全国大会が近づいたときには練習時間外にトレーニングする時間を確保できるように助けてくれます。そして試験で良い成績を取れるようにも助けてくれます。さらに、人間関係を築くための時間も見つけられるようにしてくれます。
わたしの4年間を通して、これが真実だと疑いなく言えます。学業やダンスでもです。
だから時間を効率よく、考えて使うことが絶対に大切です。
そして神様を生活に招き入れ、神様のための時間を作ることです。
そうすることで、わたしたちが神様を求めていることを示すことができますし、神様もまたわたしたちの人生の一部になるのです。
―神様のために時間を犠牲にするというのは、具体的にはどのようなことですか。
神様のために犠牲を払うために、まずチームとして、日曜日には決して練習しません。
日曜日も練習するダンスチームはたくさんあると思いますが、わたしたちは日曜日に休みます。
教会に行き、聖約を新たにし、聖餐にあずかり、安息日を尊び、安息日を聖く保つ時間をとても大切にしているからです。
また、1週間の中で神殿へ行くようにしています。
わたし自身も、宿題や睡眠、時間外練習ができる時間を使って、聖典を読み、総大会の説教を学ぶことがあります。
チームでも、実は1年を通して総大会の話を学んでいます。隔週の金曜日に、練習時間の約30分を使って、1つの話を一緒に学び、話し合います。
―総大会の話からの学習を、チームとしてやっているのですか。
はい。一人のメンバーが担当になり、話を選んでメンバーに送ります。そして1週間の中で時間を取って、それぞれがその話を読み、学びます。
先ほど話したように、その時間は勉強やダンスに使うこともできるので、一種の犠牲ですね。
そして金曜日の練習では、練習の最初に30分ほど時間を取り、その話について話し合います。どの部分に心を引かれたか、どのような教訓を学んだか、福音のどの原則をチーム文化や練習、そして自分たちの生活に取り入れられるかについて話します。
ですから、そのような犠牲を払うことで、神様はわたしたちの人生のあらゆる部分にさらに深く関わってくださるようになるのだと思います。

ダンスを通してもたらす御霊
今回の日本公演を観たスタッフからの感想をシェアします。
実際に公演を観て、彼らの一体感や曲によって変わるダンサーたちの豊かな表情、すべてに惹き付けられました。本当に素晴らしかったです。
ダンスを見ながら、ずっと御霊を感じていました。開演前、ダンサーの1人にインタビューができたことも理由の一つだと思います。また、ダンスの合間に流れたビデオインタビューも、会場中に御霊をもたらしていたと思います。
ビデオインタビューでは、クーガレッツも大学も卒業するダンサーたちが応えていました。キリストを信じ、同じ方向を向いて切磋琢磨する友人を、クーガレッツを通して得られたことへの感謝を話していました。そんなインタビューから、彼女たちがなぜこれほど一体感をもって踊ることができるのか分かりました。
また、特に心に響いたのが、コンテンポラリーダンスの一つでした。歌詞に「Don’t waste your time(時間を無駄にしないで)」というフレーズが何度も出てきました。
ちょうど自分のこれからの人生について考えていたこともあり、自分へのメッセージのように感じて身が引き締まりました。
ダンスを観て御霊を感じるという経験は初めてで、公演後も少しふわふわしていました。
同じ公演の観客からも「なんだか涙が出た」という感想を聞いたので、
「あぁ、彼女たちの掲げるキリストの光が、わたしたちに届いていたんだ」と、また強く御霊を感じました。
このような機会を通してクーガレッツを知ることができ、本当に良かったです。これからも彼女たちを応援し続けていきます。