すべてのキリスト教会は同じものを目指しています。人々を、救い主、イエス・キリストに近づけること。目的は同じなのに、違う教義や教えがあります。聖文はこう教えています。「イエス・キリストは、きのうも、きょうも、いつまでも変わることがない。」(ヘブル13:8) これが真実ならば、なぜそれほど多くの、推定4万近い、教会が今日あるのでしょうか。
末日聖徒イエス・キリスト教会の十二使徒定員会会員、ラッセル・M・ネルソンは、2012年、10月にこう述べました。
救い主、イエス・キリストがこの地上におられたとき、「ご自身の教会を組織されました。使徒たちや七十人、その他の指導者たちを召され、主の御名によって行動するために神権の権能をお与えになりました。キリストと使徒たちの死後、人々は儀式と教義を変えました。そして本来の教会と神権は失われました。」
イエス・キリストは、ご自身を頭とし、使徒と預言者を土台とした教会を建てられました。(エペソ2:19-22参照) 主は使徒に神権(人が神の御名により行う力と権能)を授けられました。(マルコ3:14参照) 救い主の死後、使徒たちが初期の教会を管理する神権の権能を持っていました。しかし、使徒たちが亡くなった時、イエス・キリストの教会を管理する権能はなくなったのです。
教会を導く神権と使徒なくし、当時のクリスチャンは、人の知恵により聖典を解釈し、福音の原則と儀式を教えることになったのです。いくつかの教えはゆがめられ、忘れられ、誤った教義が真理として教えられました。時が過ぎ、彼らは腐敗に気づき、改革しようと務め、それが多くの教会を出現させることとなりました。(「わたしの福音を宣べ伝えなさい」p32,35参照)
「何百年にもわたる霊的な暗黒時代の後、真理を求める男女は、そのとき行われていた宗教上の慣習に反対し始めました。彼らは多くの福音の儀式が変えられ、失われていることに気がついたのです。彼らはいっそう大きな光を探し求め、多くの人が、真理を回復する必要があることを説きました。しかしながら、彼らは、自分が預言者として神から召されているとは主張しませんでした。そうではなく、変えられ、腐敗していると思われる教えと儀式を改善しようと務めたのです。彼らのこのような努力は、多くのプロテスタント教会を出現させる結果となりました。この宗教改革によって、宗教の自由が重視され、その結果、最終的な福音の回復に至る道が開かれるのです。」(「わたしの福音を宣べ伝えなさい」p35)
その改革は、すでに存在しているものを変えようとするものでした。しかし、使徒たちが亡くなった時に神権系統の権能は途絶えたため、イエス・キリストの真実の福音の完全な回復が必要でした。これが最終的な回復です。なぜなら、主は、完全な福音が二度と地上から取り去られることはないと約束されたからです。(ダニエル2:44、教義と聖約138:44参照)
「まことに主なる神は、そのしもべである預言者にその隠された事を示さないでは、何事をもなされない。」(アモス3:7) もし、主の預言者が地上にいなかったならば、主はどのようにその隠された事を示すことができるでしょうか。
1820年早春、14歳の少年、ジョセフ・スミスは多くの教会のうち、どの教会が真実のイエス・キリストの教会か知りたいと心から願いました。そこで彼は森に行ってひざまずき、祈りました。その祈りは、彼が想像もしていなかった方法で答えられました。天父とその御子、イエス・キリストが年若い少年を訪れ、どの教会にも加わらないように告げたのです。(ジョセフ・スミスの歴史1:11-19参照) ジョセフ・スミスを通して、神権の権能を含む完全な福音がこの地上に回復されました。末日聖徒イエス・キリスト教会は、今日の地上におけるイエス・キリストの教会なので、そう名づけられました。
この記事は、末日聖徒イエス・キリスト教会の会員、リサ・モンタギューによって書かれました。