聖書の無謬性(むびゅうせい)の教義

聖書のオリジナルの原稿には完全に誤りがなかったという教義のことを、聖書の無謬性と言います。聖書の無謬性を信じる者は、聖書のオリジナルの原稿がどこにも残っていなくても,現存の原稿がオリジナルの物の忠実な複製であると考えています。同じ立場に立つほかの人たちは、聖書のオリジナルの原稿が完全な形で保存され,今日に継承されていると信じています。[1]

モルモン教の聖書の無謬性についての見解

モルモン教の会員は聖書を敬っています。彼らはそれを研究し,それから教え,そしてそれが神の言葉であると信じています。しかし彼らはその中に過ちがないとは考えていません。

ジョセフ・スミスはモルモン教の最初の大管長でした。彼は次のように語っています。「わたしたちは聖書が原著者によって書かれたままのものを信じています。」[2]彼の考えは教会の信仰箇条の一つによってさらに示されています。「わたしたちは,正確に翻訳されているかぎり,『聖書』は神の言葉であると信じる。」[3]

編集,翻訳,複写の過程で聖書の原文にはたくさんの誤りが入ってきました。これらの誤りは,多くの矛盾,脱落,聖典には見られない参考事項などを見ると明らかです。

これらの誤りにもかかわらず,モルモン教では聖書が大体において正しいと考え,その教えを生活の中に取り入れています。

教会の指導者は聖書を守り,保存し,多くの言語で読めるようにした献身的な人たちに敬意を払っています。

兄弟姉妹のみなさん,聖書は奇跡です!聖書の4,000年に及ぶ聖なる、また世俗の歴史が預言者,使徒,また霊感された聖職者によって記録され,保存されてきたことは奇跡です。聖書の力強い教義,原則,詩,また物語を手にしていることは奇跡です。しかし,何よりもまして,イエスの生涯,御業,言葉の記録が暗黒時代と多くの世代の論争を経て、今日のわたしたちに引き継がれてきたことは素晴らしい奇跡です。[1] [2]

モルモン教の会員は,標準聖典は開かれたものであり,現代の預言者や十二使徒によって,更なる啓示を授かり,聖書に対するわたしたちの理解が高められると信じています。教会員は,ほかの末日聖徒の聖典であるモルモン書,高価な真珠,教義と聖約,ジョセフ・スミス訳の聖書の翻訳が聖書の教えを支持し,明らかにし,補足するものであると信じています。

 

参考資料

  1. 「聖書の無謬性についてのシカゴ声明」,福音派神学ソサエティー,1978年12月,289−296ページ
  2. 「預言者ジョセフ・スミスの教え」,ジョセフ・フィールド・スミス選,1976年,32ページ
  3. 信仰箇条第8条

 

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