知っていましたか?ハリウッドでは末日聖徒イエス・キリスト教会の有名な会員達が活躍しています。ナポレオン・ダイナマイトといった名作から、「トワイライト・サーガ」、「エンダーのゲーム」、「メイズ・ランナー」、「オースティンランド」などこれらの人気作はすべ全て教会員が書いた小説が原作とされています。この記事では、まだ知られていないかもしれない末日聖徒イエス・キリスト教会との繋がりを持つ8つの有名映画を紹介します。

 

1. スター・ウォーズ(1977)

  画像はLDS Livingより

 

「スター・ウォーズ」における信仰的な側面は、教会員の映画プロデューサー、ゲイリー・カーツに影響されたものです。ロサンゼルス出身のカーツは、1940年7月27日生まれです。彼とジョージ・ルーカス、ルーカスフィルムとのコラボレーションは、1973年の大ヒット映画「アメリカン・グラフィティ」に始まりました。それからカーツは、プロデューサーとして「スター・ウォーズ」や続編である「帝国の逆襲」にも信仰面での影響をもたらしました。また「ダーククリスタル」と「オズ」のプロデューサーもつとめました。

 

2.オーシャンズ11(2002)

画像はLDS Livingより

 

オーシャンズ11は、もともと1960年にフランク・シナトラ、ディーン・マーティン、サミー・デイヴィス・ジュニア、ピーター・ローフォードなど、当時の大スターが出演した『オーシャンズ11』のリメイクです。

2001年の『オーシャンズ11』で、俳優のスコット・カーンとケイシー・アフレックは、ユタ州プロボの末日聖徒である「タークとバージル・マロイ」を演じています。この「モルモン兄弟」(映画の中ではこう呼ばれている)は、逃走用の車の運転手として雇われ、プロットの中心となる強盗のために他の仕事もこなしています。タークとバージルは、映画のタイトルにある 「11人」のうちの2人です。2人は映画の中で 「モルモン兄弟」と呼ばれていますが、作中には宗教的な内容がまったくありません。

マロイ兄弟が登場するのは、ユタ州プロボ(人口の90%以上が末日聖徒イエス・キリスト教会の会員の街)のシーンです。しかし、映画の大部分は、末日聖徒によって発見されたネバダ州ラスベガスで話が進みます。

この映画の主要登場人物のうち2人が末日聖徒である理由はいくつか考えられます。おそらく一番有力な理由は、1960年のオリジナル版『オーシャンズ11』にユタ州ソルトレイク出身の末日聖徒のカウボーイ「ルイス・ジャクソン」(通称ルイ)が登場したためでしょう。

1960年版2001年版ともに、国内のさまざまな地域出身の登場人物が混在しています。新しくなった『オーシャンズ11』の脚本家たちは、中国の曲芸師、黒人の花火師、シカゴのスリなどが登場するグループに、末日聖徒が加われば、異国情緒があって面白いだろうと考えただけかもしれません。

「オーシャンズ11」はアカデミー賞受賞者のスティーブン・ソダーバーグが監督しました。彼は以前にも「The Limey」(オリジナル脚本とDVDに末日聖徒が登場)、「トラフィック」(末日聖徒の上院議員2人がカメオ出演)、「エリン・ブロコビッチ」(末日聖徒の俳優アーロン・エックハートが主人公のボーイフレンド役で3番手出演)を監督している。しかし、これはおそらく偶然の一致で、ソダーバーグが意図的にモルモン教の要素を映画に取り入れたことの証拠ではありません。


3.シンドラーのリスト  Schindler’s List (1993)

画像はLDS Living より

 

ジェラルド・モーレンは末日聖徒イエス・キリスト教会の会員で、『シンドラーのリスト』のエグゼクティブ・プロデューサーとしてアカデミー賞を受賞しました。1957年にリパブリック・スタジオの輸送コーディネーターとしてキャリアをスタートさせたモレンは、徐々に出世していきます。1985年には『カラーパープル』のユニット・プロダクション・マネージャーを務め、スティーブン・スピルバーグと仕事をしました。1987年の映画『Batteries Not Included(原題)』で初めてプロデューサーを務め、その1年後にはアカデミー賞を受賞した『Rain Man(原題)』で共同プロデューサーを務めたのです。

モレンの最新作は、同じ教会員のティモシー・バラードについてのドキュメンタリーです。性的人身売買から子供たちを救うバラードの驚くべき努力を知ったとき、モレンはこの物語を大スクリーンに収めなければならないと思いました。

「この問題に対する認識を高めたい。私にできることを少しでもお手伝いできることにワクワクしています」とモレンは言います。

モレンの撮影クルーは、バラードのすべての救出作戦で隠しカメラを回し、作戦の迫力ある映像を撮影しました。この映像は、説得力のあるドキュメンタリーにとどまらず、児童売買の犯人を有罪に導く反論の余地のない証拠となります。

「わたしたちが撮影した映像は、犯罪者を起訴するための証拠となります」と共同プロデューサー兼監督のダリン・フレッチャーは言いました。

「裁判官がその証拠を見れば、疑いの余地はありません。これで取引は成立します。」

共同プロデューサー兼監督のチェット・トーマスはこう言います。「この企画の間、導かれていることを感じていました。映画やテレビシリーズを超えた理由があるんです。」

 

5.ディープインパクト(1998)

“ディープ・インパクト “は、地球上の生命を破滅させる恐れのある彗星を題材にした、シリアスで高額な制作費のSF映画です。ユタ育ちの俳優ロン・エルダードが、末日聖徒の宇宙飛行士であるミッション・コマンダー、オーレン・モナシュの重要な役を演じています。モナシュは地球から迫り来る彗星に向かう宇宙船メサイア号を操縦する。彗星を破壊するための最初の試みが失敗した後、モナシュは船内に残っていた核爆弾を使って彗星を破壊し、自分自身と乗組員を犠牲にする。

エルダードが演じる末日聖徒のモナシュは、とても誠実な人物です。帰還宣教師のモナシュは非常に家庭的で、悪態をついたり主の御名を無駄に使ったりすることはありません。モナシュの宗教的信条は映画の中では明かされていませんが、名前や家族がユタ州出身であることなどが、さまざまな形で示されています。妻のマリエッタ・モナシュ(ジェニファー・ジョスティン扮)は劇中から末日聖徒の妻だと分かります。

興味深いことに、エルダードは、ニール・ラビュートがオフ・ブロードウェイで上演した『bash: latter day plays』でも末日聖徒を演じており、ショータイムで放送されたケーブル版でも末日聖徒を演じています。エルダードが『ディープ・インパクト』と『bash』で末日聖徒を演じるのは、当然のことだったのでしょう。エルダードは7人兄弟の末っ子で、幼児期に母親を亡くしています。ユタとニューヨークに住む親戚の間を行き来しながら、両州で交互に暮らして育ちました。これまでエルダードが演じてきたキャラクターの多くはニューヨーカーでした。しかし『ディープ・インパクト』でユタ出身の “オーレン・モナシュ “を演じたことで、エルダードは自身の深いユタ州のルーツに立ち返ったようです。

4. アメリカ物語(1986)

アメリカ物語に出てくるネズミ

画像はLDS Living より

ドン・ブルースはおそらく、長編アニメとなるとウォルト・ディズニーの次に知られる名前でしょう。実際に1986年の彼の作品「アメリカ物語」は、ディズニー以外のアニメで最高利益をあげた映画となりました。映画の主題歌である「Somewhere Out There」は、グラミー賞で最優秀楽曲賞と最優秀モーションピクチャー楽曲賞(Best Song Written Specifically for a Motion Picture or Television)を受賞しました。

ブルースはアルゼンチンで専任宣教師として奉仕し、ブリガム・ヤング大学を卒業しました。彼の手がけたほかの作品は、「ビアンカの大冒険」(1977)、「ピートとドラゴン」(1977)、「ニムの秘密」(1982)、「リトルフット」(1988)、「天国から来たわんちゃん」(1989)などです。

 

5. ある日どこかで(1980)

モルモン教の有名人モード・アダムス

写真はLDS Livingより

ジェーン・シーモアが演じるエリーズ・マッケナの役は、1900年初頭のアメリカの舞台で最も人気だった女優であり、末日聖徒イエス・キリスト教会の会員でもあるモード・アダムスの人生がモデルとされています。

モード・ユーイング・アダムス・キスカデン(1872年11月1日—1953年7月17日)は女優モード・アダムスとして知られ、1905年にブロードウェイの舞台「ピーター・パン:大人になりたがらない少年」でピーター・パン役を演じました。アダムスの魅力は大観衆に受け入れられ、彼女は当時の舞台で最も成功し、高収入の役者となりました。彼女の全盛期の年収は100万ドル(約1億円)と言われています。

シャイだったと言われるアダムスは、エセル・バリモアに「元祖『ひとりにしておいて欲しい』女」と呼ばれたそうです。アダムスが自身の収入でほかの役者の給料を仮払いしたことも知られています。あるツアー中、劇場のオーナーは、アダムスの出演する劇は売り切れになるとわかってチケットの値段を倍にして売ったことがありました。それを知ったアダムスは、その夜ステージにあがる前にオーナーに差額を返金させました。

 

6. スタートレック:ビヨンド(2016)

スタートレックの主人公

写真はLDS Living より

末日聖徒イエス・キリスト教会の会員である映画脚本家JD・ペインは、映画「スタートレック:イントゥ・ダークネス」(2013)の続編である「スタートレック:ビヨンド」の脚本チームの一員です。

「スタートレックは常に未来への楽観的な感覚と共に、冒険、探検、驚嘆、そして可能性が物語の芯となっています。それは巨大な遊び場のようで、そこに飛び込むのを楽しみにしています」とペインはLDS Livingに語りました。続編もとても特別で素晴しいものになると確信していました。

「スタートレックは倫理や道徳的な複雑なジレンマに取り組む特別な映画です。制作チーム誰もが両者の立場に立って、どうやって対応したら良いのか考えられる場面をつくるのがとても好きです。映画を見て、『わたしだったらどうするかわからないな。きみならどうする?何が正しいんだろう?』と話をするくらいお客さんを引き込むんです。」

映画はテレビ版の「スタートレック」の初回放送からちょうど50周年となる2016年7月8日に放映開始されました。これに対してペインは「全然プレッシャーじゃなかったですよ」と笑いながら冗談っぽく言いました。

 

7. 十戒(1956)

映画十戒

写真はLDS Livingより

このクラシック映画にはふたりの末日聖徒が関わっています。アーティストのアーノルド・フライバーグと俳優兼歌手のジェシー・デロス・ジュークスです。

監督のセシル・B・デミールはスウェーデンの記者エルマン・ストルプにフライバーグの描いた絵を見せられ、フライバーグを雇いました。デミールは「主の指」(ヤレドの兄弟が主の指を見たことを描いたフライバーグの作品)に大変感銘を受け、この絵を火の中で主にまみえるシーンのモーセの衣装の参考にしました。フライバーグはこの映画でアカデミー賞にノミネートされました。ジュークスは素晴らしい低音の声で知られ、クレジットには載らない神様の声の役に抜擢されました。

ジュークスは1920年代にモルモン・タバナクル合唱団の団員で、バスのソロも担当していました。彼はラジオ、オペラ、ボードビルや劇場でもパフォーマンスをし、のちに映画業界が音付きの映画を作り始めた頃にハリウッドに進出しました。ジュークスは何本かの短編映画に出演し、着実にキャリアを確立し、ビング・クロスビー、ベティ・グラブル、レッド・スケルトンなどと同じ大手プロダクションに所属するまでになりました。

 

8. フォレスト・ガンプ(1994)

フォレスト・ガンプが表彰をもらうシーン

写真はLDS Livingより

1994年の大ヒット作「フォレスト・ガンプ」で、トム・ハンクスの演じる役がベトナムでの栄誉を称えられてメダルを受けるシーンがあります。作中ではトム・ハンクスの髪型が実際にリンドン・B・ジョンソン大統領からメダルをもらった人物であるサミー・L・デイビスの映像に重ねてあります。「本物のガンプ」として知られるデイビスは、何年か前にバプテスマを受けたとの報告がありました

モルモン教の有名人でフォレスト・ガンプが表彰される

写真はLDS Living より

 

 

この記事はもともとJamie Armstrongによって書かれ、ldsliving.comに”11 Hollywood Movies with Unexpected Mormon Connections“の題名で投稿されました。

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