モルモン教の青少年は自身の光を輝かせて「世の光」となり、生きた証になれるよう努めます。彼らは会う人すべての良い模範となるように努力します。その結果、クラスメイトやクラスの違う友だち、時には彼らの先生たちの良い方向への人生の変化に貢献することができるのです。
生徒と親しくなることが改宗、人生の変化へと繋がった
ジェニファー・リュトケはネバダ州ラスベガスにあるチャパレル高校の数学教師です。数年前、生徒たちの背景について深く学ぶ機会に恵まれずに教師生活を送ってきたリュトケに、転機が訪れます。学校が新しいカウンセリングプログラムを導入することを決めたのです。このプログラムを通して、彼女はアマンダというひとりの生徒について興味を持ち始めました。
リュトケは、アマンダについて一番印象深かったことは、彼女の宗教の教義に関する深い理解と知識だったといいます。カトリックの家で育ち、モルモン教についてほとんど正しい知識を持っていなかったリュトケは、アマンダによってその誤解を解く事ができました。
アマンダとの会話によりモルモン教会のことを少し知ったリュトケは、他のモルモン教の生徒達のこともアマンダから聞き、彼らから受けた特別な印象について考えるようになりました。
モルモン教の青少年が放つ光によって真理に導かれたひとつの例が、ジェニファー・リュトケの改宗物語です。
伝道の機会:生徒によって人生の変化が訪れた高校教師
チャパレル高校の数学教師として、わたしは何百もの素晴らしい十代の青少年たちと会う機会に恵まれてきました。普段は授業をして質問に答えるだけなので、生徒たちの育ってきた環境などについてはよく知る機会がありませんでした。チャイムがなれば、生徒たちは次のクラスに向かうからです。このような限界はあったにせよ、わたしはただ友人や他の教師への接し方を見ることでずば抜けて目立つ生徒たちを見つけることができました。そうです、わたしは心のなかでお気に入りの生徒リストを作っていたのです。
数年前、「生徒の育ってきた環境などについて深く知ることができない」という状況に変化が訪れました。学校の運営側が新しいカウンセリングプログラムを導入することに決め、それによって毎日違う生徒と20分ずつの面接をする機会ができたのです。
このプログラムの目的は、教師たちが生徒たちをより良く知り、必要なときに必要な助けや提案をすることができるようにするというものでした。わたしが何年もの間高く評価していた生徒のひとりは、アマンダといいました。アマンダはわたしが今までに会った中で最も優れた若い女性のひとりでした。わたしは教師として彼女を教えただけでなく、学資援助もしました。
アマンダの特質
アマンダが友人と接する様子を、わたしは感心しながら見ていました。彼女が自分自身を尊重しながら、他人にも気遣いをもって接していることに気が付きました。彼女を知るすべての人が、アマンダを高く評価していました。わたしたちの面接の中で、アマンダは選択の自由の大切さについて話しました。わたしは、「選択の自由」なんて16歳の女の子が使うには似合わない言葉だと思いました。実際、10代の若者がその言葉を使うのを今までに聞いたことはありませんでした。アマンダは基本的には家族の中でその言葉をよく使うこと、そしてそれはモルモン教の神学理論のなかでとても大切な一部であると説明しました。アマンダはまだ高校2年生で、この時わたしは彼女と知り合ってから3年めでした。
わたしは、宗教的な深い教義に関するアマンダの知識や親しみに完全に不意をつかれていました。わたしはウィスコンシン州の出身で、カトリック教徒として育ちました。人生のなかで、モルモン教の会員に会ったことはほとんどありませんでした。そのため、悲しいことにモルモン教について知っていることといえば、「ビッグラブ」(アメリカのテレビドラマで、「復元イエス・キリスト教会」というモルモン教の分派の家族をモデルにしています)などのテレビからの情報のみでした。幸運なことに、16歳の若い生徒はわたしが持っていた多くの誤解を解き、そのドラマはモルモン教とは関係がないこと、モルモン教はクリスチャンであること、モルモン教もクリスマスを祝うこと教えてくれ、そして親切な口調で彼女の家に母親は一人しかいないことを教えてくれました。(「復元イエス・キリスト教会」では一夫多妻制がとられており、ドラマ「ビッグラブ」でもこれが題材となりました。)
わたしは、この都会の学校にほかにもモルモン教の生徒がいるのかどうか気になり出しました。アマンダは、ヘザー、コービーなど、モルモン教の信仰に活発な生徒を何人か上げましたが、それらの生徒たちは皆わたしが高く評価し感心していた生徒たちでした。彼らは皆違う性格や才能を持っていましたが、全員明らかに素晴らしい人達でした。アマンダが十数人の名前を上げていく中で、わたしはあることに気が付き驚きました。それらの生徒たちは全員わたしのお気に入りリストにのっていたのです!そんなはずはない、これはなにかの冗談だとわたしは疑い始めました。それらの生徒たちは想像できるかぎりのあらゆる人種や背景から来ていました。音楽が好きな生徒もいれば、運動選手もいて、演劇やダンスに夢中な生徒もいました。
その日以降、わたしは最も目立つ生徒たちのほどんどがモルモン教だという驚くべき発見に関する例外を探そうとしました。そしてついに、わたしは白人とアジア人のハーフであるお気に入りの生徒の一人を見つけました。モルモン教ではないお気に入りの生徒をやっと見つけたと思ったのです。しかしそれは誤解で、彼もまたモルモン教の会員だと知った時、これはおかしな陰謀にちがいないと思いました。こんなことが可能だなんて、理解しがたいことでした。
わたしは、これらの生徒たちをそこまでずば抜けて目立たせるのは何か分析しようとしました。アマンダは勉強好きで、男の子たちに人気がありました。16歳になってデートをし始めたアマンダに、わたしはなぜ特定の2人の男の子とはデートをしなかったのかと聞いたことがあります。わたしは彼らがアマンダに好意を寄せていることを知っていたからです。彼女はこう答えました。「彼らの傲慢さが好きではないんです。」わたしは感心しました。経験のある教育者として、わたしはこれが16歳の普通の行動ではないことがすぐわかりました。ヘザーは社交的で、演劇が大好きでした。コービーは素晴らしい運動選手でした。これらの目立つモルモン教の青少年と他の生徒達は多くの場合ほとんど共通点がありませんでしたが、わたしはこれらのモルモン教の青少年たちに惹かれたのです。わたしは彼らを尊敬していました。彼らを他と違って見せるのはなんなのか、わたしは知りたいと思いました。
そしてやっと、わたしは彼らがもつ共通の特徴を見つけました。彼らは明るく、自信にみちており、健康的な自尊心を心から楽しんでいました。彼らは自分自身が何者か知っていて、自分の人生に何を求めているのかを知っていました。彼らは自分たちの宗教的な信仰に満足し、自信を持っているようでした。また彼らは人に親切で、思慮深く、両親や教師たちを尊敬していました。彼らは善の光を放っていました。そしてよくしつけられており、礼儀ただしい青年たちでした。
人生の変化
わたしのお気に入りの生徒たちの信仰に関する驚くべき発見から約一年後、わたしは自分の家のドアがノックされる音を聞きました。ふたりの若い青年たち、モルモン教として知られる末日聖徒イエス・キリスト教会の宣教師たちが、メッセージを分かち合いたいと立っていました。わたしは、モルモン教にについてひとつだけ知っていることがある、それは彼らが素晴らしい子どもたちを育てるということだ、と彼らに告げました。
わたしはその長老たちに、教会に加入することには興味がないが、彼らの信じるどのような教義があれほど素晴らしい青少年を育てるのかには興味があるといいました。最初のレッスンのあと、わたしはすっかり感心して、彼らにまた来て教えてほしいといいました。死者のためのバプテスマなど、理解に苦しむ教義もいくつかありましたが、祈り、聖典を読み続ける中で、すべてを正しいと感じました。モルモン教の教義はわたしにつながりました。心から、この教会は真実の教会だと感じました。2010年7月30日にわたしはバプテスマを受け、今はワードの扶助協会の教師として奉仕しています。
わたしがこの経験を分かちあったのは、この教会の青少年たちにとって、専任宣教師としての召しを果たす前(伝道にいくかどうかも含めて)でさえも、彼らが知らず知らずのうちに多くの人の心に触れ、より良い影響を与えることができるということを知るのが大切なことだと感じたからです。この大切な数年間でわたしに影響を与えた生徒たちは、きっと彼らがわたしの心に触れ、モルモン教の会員になると決めたことに影響を及ぼしたとは知りもしないでしょう。
愛をこめて
ジェニファー・リュトケ ネバダ州ラスベガス
この記事はMark Albrightによって書かれ、ldsmag.comに投稿されました。 また、この記事にはキース・L・ブラウンによってmormonyouth.orgに投稿された「Mormon Youth – A Light to the World」の要約も含まれています。