モルモン教の大管長によって、2012年の10月に宣教師の年齢制限が低くされるとの歴史的な発表がありました。2013年6月23日に行われた世界に向けられた宣教師向けの放送の中で、その後の進展状況が発表されました。
モルモン教の宣教師、伝道部長と、モルモン教の世界中の指導者が集まって、衛星放送やインターネットを通じて2時間の集会に参加しました。その模様はユタ州プロボのブリガム・ヤング大学のマリオット・センターから中継されました。プロボの宣教師訓練センターは、そのキャンパスに隣接しています。
「すべての国民を教える」
現在のモルモン教の大管長であるトーマス・S・モンソン大管長は「いかなる宣言よりも関連があり、いかなる責任よりも拘束力があって、いかなる指示よりも直接的であるのは、復活された主が『すべての国民を教えなさい』(マタイ28:19)と言われて、イエス・キリストの福音を教えるように命じられた言葉です。」と述べています。モルモン教の宣教師の働きの究極的な目的は、地上にいるすべての人々がキリストのもとに来て、主についての個人的な証を得、主に従うという聖約を交わして、それを守るように招くことです。世界に向けて中継された集会で、イエス・キリスト教会の十二使徒の一人であるラッセル・M・ネルソン長老は、神がその子供たちすべてに望まれていることは、神の祝福を受けるにふさわしくなって、神のもとに戻って来ることですと述べています。
モルモン教の宣教師の歴史
モルモン教は1830年4月に教会が組織されると、すぐに宣教師を派遣し始めました。最初の宣教師は、モルモン教の最初の大管長になったジョセフ・スミスの弟のサミュエル・スミスでした。彼はニューヨーク州の田舎の方を旅してモルモン書の真実性を証しました。その初期の時代から、伝道の業はモルモン教の優先事項の一つでした。
2012年10月に行われた総大会で、モンソン大管長は、宣教師の年齢制限が低められると発表しました。
「喜んで発表したいことがあります。今からすぐに始まり、あらゆるふさわしくて能力のある若い男性で、高卒かそれに匹敵した教育を終えた人は、世界中のどこにいようと、今までの19歳でなく、18歳で伝道に出るよう推薦されるという選択ができます。(中略)私たちはまた若い女性が伝道に出る年齢についても考慮しました。今日喜んで発表したいのは、能力があって、ふさわしい若い女性は伝道に出たいという望みがあれば、21歳ではなくて、19歳で、伝道に出るように推薦を受けてもよいということです。」[1]
モンソン大管長は、これらの若い人々からの反応は「驚くべきものであり、かつ霊感させるものでした」と語りました。発表のあった時点で、5万8千5百人の宣教師が伝道していました。[2]L・トム・ペリー長老はモルモン教の十二使徒会の一人ですが、このことについての放送があった週の時点で、7万近くの宣教師が召しを受けて働いていると述べました。年末までには、その数が8万5千人に達するだろうと予想されています。
モルモン教の宣教師は、世界のある地域で一人の伝道部会長の指示のもと、奉仕の活動をするように召されます。宣教師の数がかなり増加しますので、教会は58の新たな伝道部を作りました。その結果、伝道部の総数は405になりました。ラッセル・M・ネルソン長老は、173人の伝道部長とその奥さんがその会合に主席していたと報告しました。
宣教師の働きの変化
ペリー長老は、これからは宣教師がインターネットやディジタルの機器を使って役割を果たすだろうと説明しました。彼らが使うのは、フェイスブック、ブログ、電子メール、テキストメッセージなどです。ペリー長老は多くの人々はオンラインでつながっていますから、「教会は変わりつつある世界に適応しなければならない。」と語りました。十二使徒の一人であるジェフリー・R・ホランド長老もまた、「これからも伝道の業を進めるために絶えず改善が行われるだろう。」と述べています。
ペリー長老はモルモン教に興味を持っている人たちがしばしば不満を漏らしていることは、彼らが週日に、「礼拝堂に行っても鍵がかかっている」ことです。彼は、今から宣教師が必要に応じてモルモン教の礼拝堂に待機して、訪問者を案内するようになると述べました。
モンソン大管長は神がイエス・キリスト教会の会員のために幾つもの方法を備えておられ、「私たちを助けて下さる」と話しました。
この記事はもともとポーラ・ヒッキンによって書かれたものを翻訳したものです。